国際貢献(2018年8月7日)
1月前にタイで洞窟に閉じ込められたサッカーチームの少年12名とコーチ1名の合計13名全員が救出された。私はこのニュースを聞いて本当によかったと心から思った。
ニュースを見て感じた事を書いたメモがやっと見つかった。探していたのだが、なくしたと思っていたのである。本の間に挟まっていた。
以下はそのメモの要旨。

1. 日本はナゼ救援チームを送らなかったのか。イギリス・アメリカ・中国、オーストラリアは直ちに駆けつけ、イギリス人によって13名が閉じ込められた場所を特定した。
日本の海上保安庁には世界一の飛び切り優秀なダイバーがいるといつも言っているではないか。機材もハイテクのものが揃っていると言っているではないか。これはウソだったのか?
ボクは行くのかと思っていたが、とうとう最後まで出なかった。

2. 日本政府は知らん顔だった。洞窟付近の衛星写真とかポンプを2台提供したとか言っていたが、そんなのは誰も救援活動とは思わない。意志が全く伝わらない。
いつもと同じく、こういう非常事態への人的な支援がなかった。タイは日系企業が工場を建てるだけの国か?、退職老人の隠居先だけの国か?
日本(人)は金だけしか頭にない国だと世界中から思われても仕方ない。と言うか、世界は日本に期待するのは金だけ、という事に既になっている。残念だね。

3. 洞窟の周りにはテントを張って、炊き出し(ボランティア−によるものらしい)をしてみんなニコニコして食事をしていた。
日本だったら救出作戦をやっているでニコニコして飯を食う、なんてない。
何年か前にバンコックに行ったとき、反タクシン派の大デモがあり死人が出たりしてエライ事になっていたが、この時も集会場のには屋台が出て、マッサージ屋まで開業していた。ボクもそこでお土産買った。つまり土産物屋まで出ていた。
黙っていてもタイは後方支援機能ができあがるという感じがしたね。

4. 少年達の家族、友人達に日本流の悲壮感は見えなかった。CNNなどを見ていると少年達の家族などへのインタビューも日本とは全く違う質問だった。
日本だったらどうか?「お母さん、今の気持はどうですか?」、とか、ぶん殴ってやりたいような質問のオンパレードだろう。

日本の民放のレポーターが家族にインタビューを試みていたが、みんな、「助かる事を信じています」、と言うばかりで、極めて冷静だった。
もうバカレポーターの小学生インタビューは日本国内だけにして欲しいね。

5. タイ海軍のダイバーは優秀だと思った。指揮官が作業を通じて急速に練度が上がっていると言っていたが、士気が高いからこうなるのだ。現場指揮官と思われる少佐へのCNNのインタビューを見てもよくわかった。
東北の震災で福島原発に出動する東京消防庁の隊長へのインタビューで、この隊長さんが幼稚園児のように泣きじゃくっていたのが思い出された。
あの隊長の下では、どんな優秀な隊員でも士気が上がるわけがない、と思ったものだ。

6. 救出後の家族はみんな喜びの笑顔。やはり涙は全くなかった。兵隊も警官もやった〜!と大騒ぎ。
「MIssion Possibleだ!!」、と責任者(知事)は叫んでいた。”Mission Impossible”に引っかけたメッセージだ。
このメッセージの出し方はさすがである。世界中に知事の声として理解された。
少年の家族の一員のお婆ちゃんは、「孫が帰ってきたら卵焼き作って食べさせてやらなくっちゃね」、とか言ってニコニコしていたのが印象的だった。

7. 救出時には少年達に対し、精神安定剤を投与してパニックになるのを防いだという。そう言えば救出直後の少年達は全員カーゴの中でじっとしており、身動きが全くなかった。
精神安定剤投与の提案は誰がいつやり、決定はいつ下されたのか。大いに興味のあるところだ。
日本で類似の状況の場合、精神安定剤投与が検討の対象になったら誰が判断するのか。
"安倍首相判断"、とか言い出すのだろうね、きっと。

それにしても日本は顔が見えなかった。アジアのリーダーとか言う割に人的サポートが何もなかった。
JICAが「専門家」を送ったというが、JICAの中にこういう事に対するエキスパートがいたのか。驚きだ。
こういう場合大事なのは、やはり見える形で人を送ることではないか。

管官房長官が、「タイから要請があれば検討する」、と言っていたがこういうのは要請で動くのではなく、支援のオプションをこちらから提示するのがスタンダードではないか。
やっていたとは思うが。

派遣されて国際チームと活動するときは恐らくタイ海軍の指揮下で活動する事になると思うが、日本(人)はこういう他国、国際組織の指揮下で動くというのが不得意だと言われている。
随分前にカンボジアの国連PKOに日本の警察官が選挙監視で派遣され、そして1名が殺された。

派遣されていた日本人警察官70数名はキンタマが縮み上がって全装備を放置、無断で全員現場を離脱、そして札ビラばらまいて国境を越えてタイに我先に"脱走"した。

”任務放棄、脱走”は戦時であれば、その場で銃殺だ。裁判はいらない。どの国の軍隊でも将校はこの権限を持つ。
脱走したのは警官であったが、国際的には”脱走”、という認識だった。

イタリアの警察(憲兵)その他からは、「お前達は勝手に行動できるのか?俺達がそんな事やれば母国で軍法会議にかけられる、、、」と言ったそうだが、日本の警官達も日本政府も国際組織での任務放棄の重大性が理解できなかったという。

またある警官はバングラディッシュの警官に毎日100ドルを渡して、自分の任務を肩代わりさせていたという。
この現場放棄、脱走は世界中から嘲笑の的となった。

タイに逃げた警官達は日本から大臣を呼んで、「話が違う!」、と抗議をした。大臣を呼んだ方も行った方もバカか、と言いいたい。
この時大臣は一言だけ言えばよかった。
「持ち場に戻れ!」と。

話を戻そう。
少年達が救出されたときにアメリカのトランプ大統領は、タイ海軍特殊部隊”Seals”に絶賛のメッセージを送った。イギリスのメイ首相もメッセージを送った。イギリス人が第一発見者だったから鼻も高かったようだった。
2人ともCNNで大きく報道されていた。

我が安倍首相は”モリカケ問題”か何かで忙しかったのか、それとも何もやってないので恥ずかしかったのか、メッセージは少なくとも報道はされなかった。

今回の救助チーム派遣はイギリス、アメリカ、オーストラリア、中国から行われ、タイ海軍と「協同」して行動したとCNNでは報道していた。
そしてタイの救助隊から1名の死者が出た。

日本政府はこれを聞いてほっとしたに違いない。
日本から救助隊を派遣してそこから死者が出れば、政府与党は野党からの攻撃に晒されるのは必至である。
日本は危険を伴う国際協力に積極的でないのは、事故(死者)があった時に政府は野党・マスコミから攻められるのが面倒だからだ。
それにしても何かをやるとその説明相手は常に野党・マスコミである、というのもおかしな国だ、日本は。

今回のような場合、救出協同作戦というのは他国の緩やかな指揮を受けるという事、と解釈すればよい。日本(人)は緊急で寄り集まったこういう国際チームの中で動けるのだろうか。理由はいろいろあるが、疑問である。
言葉の問題がある、というが駆けつけた中国はどうなのか。タイ人も教育を受けた人以外、英語は使えない。

日本(人)は本音を曖昧にして建て前で計画し、行動する。
建前で押し通そうとするので、現実とのギャップが一定のレベルを越えると組織は突然機能しなくなる。
自らがフリーズ・モードに入る。
だから何もできなくなるし、とんんでもない行動に出る。
日本政府のカンボジアPKOへの警察官派遣決定、それと行った警察官達の現場での混乱は典型的な例である。

日本人はせっせと働いて、お金を貯めて世界の”ATM”で生きていくのか?。お金があるウチはこれをバラまいてお茶を濁すしかないのか?

「お金のない者が、お金のある者にお金をくれと言うのは、当たり前の行為、恥ずかしくも何ともない」
「お金を持っている者が、お金を出すのは当たり前の行為、エラくも何ともない」


理屈にあっていないと文句が聞こえてきそうだが、はっきり言っておく。これはグローバルスタンダードな考え方である事を。
お金は国際貢献にはならないのである。もちろん儀礼で「ありがとう」、を言われる事はあるが。