ちょっと気になるトピックス(2021年03月31日)
■ 余計なお世話組織

3月の市報に”鈴鹿市ものつくり産業支援センター”の紹介があった。ここは中小企業に対して各種セミナー、教育、技術指導を市として行う支援組織で40人近くの専門アドバイザーと称する人達が実務を行っている。

多くの中小企業はコスト削減、受注の確保、人の確保、資金繰り、それに後継者の確保で四苦八苦である。特に近年中小企業の人集めは容易ではなく、鈴鹿市ではブラジル人を始めとする外国人労働者に現場は頼っている。
中小企業はこれらの外国人を使う上での苦労トラブルが非常に多い。

どういう顔ぶれがこの支援センターなるところにいるのかちょっと調べてみた。
殆どが大企業出身の狭い範囲の”技術屋”というか”ベテラン技能者”と呼ばれる人達である。

ボクの経験から言うと中小企業で技術的な課題を抱えて困っている会社は割と少ない。
製造品質管理は”品質管理の技術レベル”が低いからうまくいかないのではない。
人の管理ができていないからである。

こういう税金を使った組織は実績を作らなくてはならないので、いろいろな講習会とかイベントなどの仕掛けを中小企業側に投げかける。
というか、参加を強要する。


でも中小企業側は忙しいので参加を渋る。人も時間もそんな余裕はないのである。

そこでやり方として中小企業に”お願い”をして参加して頂く、という事になる。これを彼等は”潜在的ニーズを掘り起こした”、という言い方をして、実績とする。
中小企業側は”Better than nothing.”、つまり”やらないよりマシ”、くらいの気持で参加するところが多い。
勿論、わかりきっている事でも第三者から言われるとインパクトが違う、というのはあるが。

こういう組織って誰のための組織なのか、実は”余計なお世話の押し付け組織”になっている場合が多い
これもボクの経験からである。
経験?そう、ボクは押しつけられる側にも少しいた事があるし、押しつける側の仕事もやったからね。

でも”押しつける側の仕事”はあまりのバカバカしさと強引なやり方がボクの考えに合わないのと、中小企業に迷惑掛けちゃいけないので ボクは割と短期間で辞めたけどね。

■ コロナワクチン接種

アメリカとかヨーロッパなどの国でコロナワクチンの接種が始まっており、アメリカは既に何千万人もの人が接種を受けているらしい。

これに対して日本では「いつから誰を対象に、いつ頃までに終わる」、という最も基本的な情報が何となくよくわからない。ファイザーと今年中に7200万人分(1億4400万回分)の供給を受ける契約を結んだとかのお話はあるが、いつからどういう形で誰に対して接種が行われるのか、よくわからない。
コロナではワクチンの接種こそが何が何でも一番大事であるが、はっきりと情報が伝わってこない。

この前やっと市役所から(と思う)"接種券"なるものが郵送されるのでその後電話かネットで予約をして、そして本人確認書類を持ってどこかに行くらしい、というのは伝わってきた。

アメリカではインフルエンザのワクチン接種は会社の食堂でも受けれたし、大きなスーパーとかデパート内にある薬局・ドラッグストアで受ける事ができた。

受けるときに保険証を見せると生年月日を聞かれ、そしてその場で接種、終わるとそのスーパーとかで使えるギフト券のようなものをくれる。スーパーは人を呼び込め、接種は加速する、という仕組みだ。

アメリカでは今回のコロナワクチンも接種優先順位の高い人達(医療関係者、軍人、政府関係者、一部業種従事者)は別としてインフルエンザワクチン接種と同じようにスーパでも受ける事ができている。

コロンバスのよく行ったスーパーの奥にあった薬局の兄ちゃんに,「オッス」と言えばいいだけなのだ。

またテレビで見ると競技場などを潰してそこに車が延々と並び、野外でワクチン接種をどんどんやっている。イギリスなどもこういう感じだ。

アメリカはどういう方法が一番簡単に多くの人に限られた時間でワクチン接種をする事ができるか,長年掛けて研究をして今のやり方に行き着いており、一朝一夕にできたシステムではないと思う。

日本は何の準備もできていない。日本の危機管理は問題が起きてからの危機管理、しかもその場限りの。
その前に”これは想定外でした!!”と大声を張り上げて、先ず責任回避をしてから、、、。
やはり日本は三流国なのか?

■ インドネシアの青年

インドネシアから高知のカツオ釣り漁船に乗るために19才の青年がやってきた。
彼は言う。
「日本に行くとき母さんは悲しまなかった。でも寂しかったと思う。」
「日本の文化、システムを学びたい。」

高知では3ヶ月の訓練を受ける。6時起床後掃除、ランニング5km、朝飯も自分達で準備、買い物も自分達。
「日本語の勉強、難しい。」
「何度もみんなから彼女いますか?と聞かれる。何で?」
寮に彼女の写真を掲示するのは規則でNG。

「2週間に1回1万円をもらう。」
「休日は買い物に行って、スーパーで懐中電灯を買った。ナゼ?消灯後も勉強するため。

漁が始まる。高知を出港、5ヶ月後に高知に戻る。
船上での作業は危険である、ヘマやると本人だけでなく、他人の命も危険に晒す。

命がけのカツオ漁、だが船酔いで全く役に立たず。
彼ははっきりと言う。
「インドネシア人として誇りを持ってやる!」

食事は狭い漁船の中で立って食べる。
夜は船内で仲間と歌を歌う。
「頑張る!早く一人前になりたい!勉強します!」

そして鹿児島入港。

ボクは単純に彼等に感心した、というより心底単純にエライ!、と思った。
絶対にみるみる成長して立派な漁師になれると思った。

彼等の訓練風景を見ながら、ボクは日本の19才の青年の姿を彼等の姿にダブらせようとした。
が、無理だった。

そしてボクはナゼか、東日本大震災で福島原発の対応を命令された消防隊の総指揮官が、「家族のために頑張ってきます、、、」、とか言って泣きべそかきながら(本当に泣きじゃくっていた)福島におずおずと向かって行ったのを思い出す。

現代日本の父母は、そして学校の先生は、仕事とは何か、働くとは何か、それに伴う義務・責任とは何か、子供の時からキチンと教えてるか?
出てきたインドネシアの青年達は逞しい。しかしかつては日本の青年達もこれ以上に逞しかった。

ボクの親しいある一流工作機械メーカーの部長さんが言った。
日本人が受ける就職試験での競争相手は日本人ではなく、アジアなどの国々の外国人です。これらの国の若い人は極めて短期間で戦力になるし、気構えが日本人とは違います。」
「日本企業でも日本人だから、という理由で採用される時代はとっくに終わってます。」

日本は成長できなくなった?新しいネタを見つけられなくなった?本当か?
ゴタクを並べているが、歯を食いしばらなくなった、努力しなくなった、働かなくなった、だけじゃないのか?