コロナと日本政府(2021−08−24)
この2週間、殆ど雨だった。晴れ間の日もあったが長続きはしなかった。もの凄い黒雲が西の空からやってきて、数十分間土砂降りの雨を降らし、そしてあっという間に止んだ、という日もあった。
この時は雲と雨が近付いてくるのが見えて、「あ〜、来るな〜。」というのが手に取るように分かった。

そんな訳で外に出るのも益々億劫になり、自宅にいる事が多かった。やはり気になるのはコロナの感染状況でオリンピックの最中から第5波がうなぎ上りになり、今や新規感染者数が1日25000人を超えている。政府の言うことは当てにならず、全ての施策は後手後手である。
そこでたっぷりある時間を少し使ってコロナに関する素朴な疑問について調べてみた。

1.コロナワクチンは変異株に効くのか

インド産のデルタ株の感染力は強く、既に新規感染の7割以上に及んでいる。東京では8月末には全ての感染がこれに置き換わるという予測である。
ファイザー製、モデルナ製などはあくまで従来株をターゲットにして開発されている。

結論から言うと既存のワクチンは新株に対しても効く、である。英国のイングランド公衆衛生局が行った研究ではファイザー製のデルタ株に対する有効性は88%だそうだ。ファイザー社の臨床試験では95%となっていた。
「従来株に比較すると少し落ちるが、感染予防には十分なレベル。」(阪大、宮坂名誉教授)だそうだ。

現在デルタ株による重症患者、死者の殆どはワクチン未接種者である、というのも分かった。最近の5万人の感染者の中でワクチンを2回接種している人の感染者率は3%である。82%が一度も接種していない人だ。

ボクもカミさんも既にワクチン接種は2回終わっている。一応は安心してもよさそうだ。
しかしナゼ政府の感染者統計の中症者、重症者に対するワクチン接種、未接種の比率を出さないのだろう。
出さない理由らしきものは見つける事ができなかった。

2.ワクチン接種後の死亡は本当にワクチンの影響か

ワクチンを接種したが死亡している人が何百人もいる、というのは知っていた。これってどういう事だ、と不安になるのは当然である。
厚労省の統計によると7月末時点でファイザー製ワクチン接種後の死亡者は約800人いる。

結論から言うと現段階でこの中の死因でワクチンとの因果関係は一切無いらしい。
先の宮坂教授によると「ワクチンを原因とする死者数を計るのであれば、ワクチンを打たなかった人達の死者数と比べる必要がある。」と話す。
この先生は統計分析の基礎中の基礎を言っており、統計分析を少しでもやった人にとってはイロハの意見だ。

ワクチン接種後の死因の第1位は「心不全」で75人(65才以上:72人)、これは約6ヶ月間の死亡者である。日本では心不全で亡くなる人は年間8万人、つまり6ヶ月間で4万人である。ワクチン接種が心不全に繋がったという疑いはなく、年齢構成などを母数として計算するとむしろうんと少ない。(他に肺炎、脳卒中などで死亡している)
アメリカのCDC(疾病対策センター)の分析もワクチン接種が死亡に関係しているという内容は一切無いらしい。
安心できそうだ。

3.ワクチン接種後の副反応は後遺症があるのか

直接の副反応であるが筋肉痛、頭痛などはインフルエンザワクチンに比べてやはり多いらしい。これはワクチンの体内への取り込みのメカニズムに関係しているらしいがボクには説明が理解できなかった。またワクチン接種による長期間の後遺症も本当にワクチン接種によるものなのか明確な証拠はないという事のようだ。

それよりも副反応の強さは高い有効性の裏返し、という見解を多くの医者が持っていることがわかった。一時期マスコミも後遺症についてあれこれ不安を煽っていたが、最近は言わなくなった。

4.病院再編で感染症治療は今後改善されるのか

これは諸外国と比べて多すぎる病院をどう整理するかという課題であった。
しかしこれがコロナによって暗礁に乗り上げることになった。

整理対象の病院の中にコロナ患者を受け入れている病院があったりで、感染症治療という観点がなかったらしい。
日本は人口当たりの病床数が諸外国に比べて断トツに多いが医師数は少ない。

つまりとにかく入院させて寝かせておき、(保険から)治療費を得る、という構造が見える。

またコロナ対応が難しい小規模病院が多い、重症度とか回復度に応じた病院の役割分担が明確でない、という状況でもあるらしい。

世界第三位の経済大国日本の首都東京(人口1300万人)が、数百人の重症患者で医療崩壊、、、これでは発展途上国と同じレベルではないか。
病院の80%は民間病院なので、「当局による再編は強要できない」そうで、これが進展する事はなさそうだ。つまり今度何かがあっても似たような状況になるという訳だ。

日本の病院は普通のクリニックを大きくしてベッドだけを並べたような小さな病院が多く(200床以下が70%)、コロナは設備の関係から大規模病院(400床以上)しか受け入れが難しいという事である。

自宅療養という体のいい”患者放置”が拡大し、中症患者が十分な治療を受けることができず急速に悪化、死亡という事が起きている。ここでも政府は病院の殆どは民間の病院なので患者受け入れの強制はできないという。今の政府には法律を変える気はないらしい。まあ例によって例の如く、「これから議論をして、、、」、という事なのだろう。

自衛隊に野戦病院を作らせろと言う意見がある。野戦病院とは戦場で後方に作る臨時の病院の事で、補給などと同じ”後方支援機能”のひとつである。
自衛隊にどんな場所にでも病院を作るノウハウがあるのであれば、自衛隊が指導をして一般の機材を使って民間がやった方が効率がいい。それよりも今ある民間病院の設備強化、要員(医師、看護師)強化をする方がずっと効率的だ。

そんなに野戦病院なるものを作りたければ東京だったら電気も上下水道も完備しており、屋根まで付いている後楽園を一時的に接収して、自衛隊の指導でグランドのど真ん中に病院を作ればいい。中国は昨年の3月頃、武漢に10日間で大病院を作った。日本政府は中国にやり方を聞いてみたら?

結局今我々ができるのは何が何でも先ずワクチンを接種する事だ。これしかない。
飲み屋に酒を出すなと言う前にワクチンの接種証明を発行し、これを持つ人は自由に出入りさせて今までどおりに商売させればいい。そうすれば経済も回るというものだ。
「ワクチン証明の発行と利用は差別に繋がる。」、とかいう物事の優先順位が判断できない輩がいるが、そういう議論は今回のコロナが治まってから、どこかでゆっくり勝手にやってくれ。

ボクの頭の中に最後に残ったのは結局、「日本政府は国民の命を守ることを本気で考えているのか?」、という疑問である。国の最も大事な仕事は国民の生命と財産を守る事である。
これをやってくれるという期待が持てないのが我が日本国政府なのか 、、、。

残念だがそう言われても仕方のない状況だ。