雑感@久米島(2022−05−01)
7泊8日の久米島ぶらりひとり旅はあっという間に終わり、4月28日(木)の夕方自宅に帰ってきた。

久米島から那覇までのフライトが今回は10:45発だったのでホテルの朝食もゆっくりと頂く事ができた。
レンタカーはガソリンを満タンにした時にもらった領収書、借りたときの点検票、そしてキーをダッシュボードに入れて空港のレンタカープールに勝手に置いていくだけ、実に簡単である。

久米島空港ではスーツケースのX線検査で、「お金が入ってますね。これは機内預けのスーツケースに入れないで下さい」と言われた。

確かにスーツケースには硬貨で”800円”くらいがジップロックに入れて放り込んであった。

「何で?」と聞くと検査の係員は、「貴重品はスーツケースには入れないようにお願いしております。」とのこと。さすがのボクもこれを聞いてひっくり返りそうになったね。

ボクは今まで国際線には200フライト(100往復)以上、国内線(アメリカ、日本)は数え切れない程乗っているがこういうワーニングは初めてだ。

ボクは警察とか各種検査員、その他警備員とかのワーニングなどには理由を聞くことはあっても、どこかのタレントみたいに反抗的な態度は絶体にとらない

即、スーツケースから硬貨の袋を取り出して機内持ち込みのリュックに入れたのであるが、いわゆる”小銭”が”貴重品”と言われた時は、ボクの小さな目が文字どおり”点”になったね。

それとJALの国内線はJシート(ちょっと幅の広い席)が今まで1000円でアップグレードできたのだが10日前から3000円になった。ボクはセントレア⇒那覇は3000円払ってJシートを買ったが、帰りは買わなかった。
急に3倍も値段を上げるなんて、何だか反抗してみたいような気持になったので、、、。

今回の1週間、天気がよかったのは2日半だけであとはパッとしなかった。雨も降った。天気は悪くてもボクはそれなりに過ごすので、ああ残念とかは思わない。

そのような中、天気の良かった日に島の北東部にある比屋定バンタ(展望台)に行ってみた。ここは200mの崖の上から珊瑚礁の海、ハテの浜、遠くに慶良間諸島が一望できる、素晴らしいところである。展望台の横には売店もあったが今は閉まっている。
ボクは自動販売機でお茶を買い、ここに20分ほどいたが島民、観光客、誰も来なかった

何年か前にここに来たときの事であった。
ボクが景色を眺めていると50才くらいかなという男性と白髪の女性が隣にきたので、自然と挨拶をして話を始めた。

「どちらから?」「私は三重県です。お二人は?」「東京です。」
その男性と一緒の女性は髪の毛は真っ白で服装は地味、その男性よりうんと年上で、2人の会話を聞いていると間違いなく親子に見えた。

「そうですか、、、お母さんをお連れとお見受けしますが、親孝行旅行ですね。いいですね、、、。」
ボクは感じたままを正直に言った。

「はい、こんな雄大な景色を見れて家内と2人で来た甲斐がありました。」

ボクは展望台から飛び降りたくなったね。
この女性は母上じゃなくて奥様だったのである。

そう言えば髪の毛は真っ白だけどお肌はツルツル、目元にシワはなくすっきり。よく見れば50代前半だったね、間違いなく。
ボクは久米島でもいろんなカップルを見てきた。あ、連れているのはウオーター・ビジネス関係の女性だな、ま、久米島は人目に付きにくいしな、とか割と正確に当ててきたつもりだったが、この時ばかりは全くの外れ、だったね。

要するに男女カップルに対しては余計な事は絶体に口に出してはイケナイ、これをこの歳になってやっと悟ったという訳であった。ボクもオクテなんだね、、、。
比屋定バンタに来ると、どうしてもこの大失敗を思い出してしまう。

久米島では7回の夕食のうち4回は地元の知人と会食をやった。
今回もTAさんの紹介で新しい方を紹介して頂いた。久米島に最初に行ったのは2011年10月であるが、この時に偶然にお会いした方の一人が今も付き合いを頂いている町会議員のTYさん、そのTYさんがTAさんを紹介してくれてから一気に人の輪が拡がった

この縁の中で中学校の校長(TAさんの同級生)を紹介して頂き、いろいろ話をしている中で、「じゃ、ウチの生徒に話をして頂けますか」、という事になり、2年ちょっと前にボクは中学校で1時間の講話をやった事もある。

この時はボクがアメリカ、フィリピン、その他の国々で経験した事で、中学生に話しておきたいな〜、という事を1時間のストーリーにまとめ、パワーポイントで33枚のスライドにして話をした。

中味は一応娘と、娘の友達の教員に添削はしてもらったが、ちょっと難しかったかも知れない
本当は先生に聞いてもらいたかったのだが。

あとで校長のNさんは生徒の感想文を送ってくれたが、意外な部分に興味を示してくれた事がわかって、非常に参考になった。中学生というのはやはり正直、というより純粋だと心から思った。

久米島の課題は他の沖縄の離島と同じく人口の減少、今は50年前の半分の8000人で更に減り続けており、しかも高齢化が加速している。

最大の課題は、ある程度の”規模のある産業”がない事だ。つまり若い人が能力を発揮する就業の場がない
主たる産業は観光、あとは零細な農業・漁業、第二次産業としては一部を除き食品関係の個人経営の会社があるだけだ。観光もポテンシャルは大きいと思うが、大規模な開発が行われなかったので迫力に欠ける

しかし久米島はボクのように、静かに暮らすように過ごすのが目的の者にとっては最高の場所だ。
島の活性化を考えて見えるTYさんには申し訳ないが、観光客でごった返す久米島より、ボクは今のような静かな久米島がずっと続けばいいな、と思っている