ブラリ久米島ひとり旅(2023−04−07)
1年に2回は訪れたいと思っている久米島、気が付いたら昨年4月末に行ってからもう1年が経とうとしている。
という事で急遽飛行機とホテルの予約をして、久米島に着いたのが4月3日。セントレアから那覇までのフライトも順調、那覇から久米島のフライトも順調、乗客は8割くらいの搭乗率であるが観光客は少ない。

子連れのお母さんも地元の人のようである。久米島までのフライトで横に座ったおばさんは、カメラとスマホを駆使して離陸までの窓から見える自衛隊機の撮影に必死。
飛行機は滑走を始めるとまず海上自衛隊の哨戒機P3Cが並ぶ列線、次に航空自衛隊のF15の列線、更に陸上自衛隊の大型ヘリなど、という順番で現れるのである。

久米島に着いてスーツケースを受け取り、、レンタカーの窓口へ。あれ?マングローブ・レンタカーの窓口は電気も点いていない、誰もいないではないか。

マングローブ・レンタカーはこの前初めて借りて、安いし対応もよかったので今回も頼んだのである。

一番右のオリックスレンタカーの窓口には4〜5人の列。ちょっと嫌な予感。まさか予約が入っていない事はないだろうな〜。さっそく電話を掛けると、従業員の慌てた声。

「ちょっと従業員に事故がありまして、別の者がそちらに向かっています。20分ほどお待ち下さい。」との事。

やがて50才くらいのオジサンが息を切らせてやってきた。
「イヤー、予約が入っていなかったのでは、と心配しましたよ。」
来てくれたのは後できいたところ、マングローブ・レンタカーの社長さんだった。

ボクは「待たせて、ひと味ないの?」と余計な事いってしまい、社長さんは5000円値引きしてくれた。ちょっとマズかったと思ったが後の祭り。9日間33000円、車はピカピカのホンダN−BOX、文句なし。

結局空港を出るのが30分以上遅れたので、慌ててホテルに電話を掛けて遅れて到着する旨を連絡しておいた。大丈夫とは思うけど、キャンセルでもされたら大変だからね。

ホテルはリニューアルされており、なかなか気持ちのいい部屋に変わっている。
実は予約の時にびっくりしたのが、値段が以前の2〜2.5倍になっていた事だ。ホテルに電話を掛けて理由を聞いたところ、「リニューアルしたので、、、」、という返事。それにしても高すぎる。

そこであちこちの旅行会社を当たってみたところ、以前より3000円高いだけの会社があったのでここを経由して予約をした。
部屋は最初の2泊が工事の関係でいつも使わせてもらっている3Fの奥が使えず、残り6泊は希望どおりとなった。

久米島の気候であるが、日中は半袖で過ごせるが、朝夕はまだまだ長袖が必要で、風もかなり強い。
それにこの季節は澄み切った青空というのも非常に少なく、視界も大陸からの黄砂の影響なのか悪い。

観光パンフレットに載っている、蒼い空に蒼い海、それに100kmの視界、というのはあまり期待できない。久米島はやはり梅雨明けの6月から12月が最適である。
但し10月一杯くらいは”クソ”がつくくらい、暑い。

この11年間で確か11回目の訪問、しかも1回の滞在が長いので、ホテルの授業員の中にはボクの事を覚えていてくれる人がいる。フロントカウンターのちょっと愛想のない若いオバさん(変な言い方)、レストランのオバさん、オジさん、オネエさん。

レストランのうんと顔の濃いオバさんは11年前に初めて来た時からいる。今回姿が見えなかったので、もう辞めたのかな、と思っていたら、料理場にいた。声をかけて挨拶しておいた。

それと前回からであるがネパール人の従業員がまた増えている。フロント受付の日本語がえらい上手な担当者はボクを覚えてくれていた。
今回はネパール人の女の子がウエイトレスでいるのにはびっくりした。

2日目の夜、ホテルのレストランで何か食べようかと行ったが、あまり大したメニューがなかったので、「今夜は外で食べようかな」とその子に言って外出した。

翌日の朝食の時に、彼女から「昨夜はどこに行ったのですか?]、と聞かれて少々びっくりしたね。

島では働くところがないというのが問題なのに、ナゼ外国人を雇うのか、町会議長のTさんに聞いてみた。

「募集をかけても島民の若い者などは応募しないのです。要するに求職者と雇用側のミスマッチなんです。そこで仕方なく外国人に頼る事になる訳です。」

ナルホド、最近よく聞く話だね、これは。

そのTさん、4日目の11時頃ホテルロビー横の喫茶コーナー(ボクの定位置)で本を読んでいると、突然顔を出され、びっくり。Tさんは昨日仙台出張から帰ってきたばかり、今日は海開きのお祓いをやるので来賓とのこと。
ホテルの前は日本でも有数の、白い砂浜の「イーフビーチ」が1km続いている。

Tさんは「Nさんも参加して下さい。」と言う。ビジターであるボクが参加してもいいものなのか、ま、難しい事は抜きに最後列で「久米島町の海開き」に参加させて頂いた。
全部で40名ほどの人が来ていた。警察官も2名、その他観光協会、町役場職員などが来ているとの事だった。
祈願の1番目は町長さん、次が副町長、三番目が町議会議長のTさん、式が終わってからTさんは町長の桃原さんを紹介してくれた。

少し話をしたが、気さくな人で、Tさんと同級生、副町長を退き、昨年の選挙で町長になったそうだ。
どこかで一献させて頂きたいものである。

しかし宿泊客が少ない。宿泊客の様子は駐車場のレンタカーの数で大体の見当がつくが、1日目から5日目まで5台前後であった。
ボクは朝食は7時に行き、ゆっくりと頂き最後にコーヒーを2杯、レストランを出るときは大体8時15分頃である。

こういうホテルでは8時以降に朝食に来る客は少ないので、宿泊客の大体の数はわかる。毎日全部で25名から40名くらいだった。
コロナの影響で島への観光客が減ったのだが、これの回復にはまだまだ1年くらいはかかるのではないか、とTさんは言っていた。25名の朝食のためにフロアーに3名の係、厨房に5名がいたがどうやって給料を払っているのか、他人事ながら心配になったね。

久米島の様子を島を知る何人かの知人などに伝えたが「寂しい」、「気が滅入る」、「見たこともない人気のなさ」などのコメントがあった。ま、ボクみたいに「何もしないのが目的」で来てる者にとっては、久米島の方には申し訳ないけど、こういう状態も悪くはないね。

それはさておき天気はイマイチであるが、ボクにとっては最高の久米島である。深層海洋水の大浴場はいつ行っても貸し切り、人の顔を見るのは限られたホテルの従業員とたまに宿泊客。大げさに言えばホテル丸ごと自分専用。
こんな贅沢、あっていいのかな〜。