誰のせいだ?(2018年7月27日)
毎日暑い。何万人もの人が熱中症で救急車で運ばれ、何十人もの人が亡くなっている。
テレビ番組の1/3がこの異常高温に関する番組だ。
ちなみにあとの1/3は食い物の番組、残りの1/3がその他、という感じだ、最近のテレビ番組は。

ところでボクは常々、今のテレビ番組は食い物に関する番組が多すぎると思っている。
バカタレントが大口開けて、「柔らか〜い」、とかを連発している。
食い物と言えば昔ある先生が、「人との会話の中で話題に困ったら、食い物の話をせい。天気の話もいいが、直ぐに話題が尽きる。しかし食い物の話はいくらでも続く。」

今のテレビはこの先生が言った法則に準拠している。とりあえず食い物の番組を作っておけば視聴者を掴んでおくことができるという、極めて安直な戦術が丸見えの番組オンパレードだ。

話題を戻す。

この異常高温のについて、ある番組のレポーターが街を歩いていたオバさんに、「この暑さ、大変ですよね、どう思いますか?」、という、いつもの小学生でもできる質問をやっていた。

「ホント、もう大変!」、とこのオバさんも、レポーターに負けず劣らずの小学生と同じような答えを返していた。

そしてオバさんは続けた。
「この暑さ、本当に何とかしてくれないと、私達庶民は地獄ですわ、、」
つまりこの暑さは誰かの責任によって引き起こされている、だからその誰かが努力、又は対策すれば解決できる、と言いたげであった。

ボクはこれを聞いてちょっとだけ考えた。
オバさんはこの不満を誰に言いたかったのだろうか。
オバさんは、明らかに誰か具体的な人物を恨むかのような目つきをしていた。(そう思ったのはボクだけか?)

何とかして欲しいという、”何とか”は、どういう事をイメージしていたのだろう。ここを聞けよ、レポーターは!!

オバさんはこの暑さの苛立ちを仏様、イエス様、アラーの神様、地元の氏神さんなどの知ってる限りの神様全員に向かって言ったのだろうか。
それとも自宅のリビングだけにあるエアコンを、寝室にも取り付けて欲しい、と旦那に言いたかったのだろうか。

今や世の中、全ての諸悪の根源は、日本では安倍総理、世界ではトランプ大統領である、という事になっている。
だからこの高温も彼等のせいであり、オバサンはこの2人に対して何とかして欲しいと言ったのだろうか。

とにかく、暑いのは誰かのせいにしたいらしかったね、このオバサンは。

家でブラブラしている生活困窮者、置かれている境遇を作った原因は彼等・彼女等ではなく世の中にある、という理屈を堂々と言えるのが今の日本である。
この場合、彼らの言う世の中とは、癪に障る、そして嫉妬する組織、仕組み、人、習慣、国、自分以外のあらゆるものを指しているようだ。
要するに自分には何も非難されるような事はなく、悪いのは自分以外にあるという。

夏の暑さという自然現象さえ、誰かのせいにしようとするオバサンと共通点はないか。
自分の置かれている不都合な境遇を、屁理屈で他の何かに被せて、憂さ晴らしをしようとしているだけとしか思えない。
問題の原因を、実は全く関係のない原因を作り上げて押しつける、というのがあちこちで目立つ。

成績が悪い小学生が、
「先生、少しは反省して下さい。先生のせいで私の成績が悪いじゃありませんか。先生のせいで私はお母さんに叱られます。私の代わりにお母さんに叱られて下さい。」
とか言い出すのも時間の問題だ。

あ、これって既に中学校とか高校では普通に親が先生に言ってる事なんだって。じゃ、娘も言われてるのかな。