本気度(2018年4月19日) |
本気度とは? わかる言葉だけど、整理しておきたい。こういう時ボクは国語辞典を調べる事にしている。 先ず”本気”という言葉を広辞苑で調べた。 >> まじめな心。冗談や遊びでない真剣な気持。また、そのような気持で取り組むさま。「人の話を〜にする」「〜で働く」 なるホドね。”本気で働く”、何ともいい言葉だね、これ。 次に本気度の”度”を調べた。これも一杯あるが、ボクが知りたい意味に近いのは次の部分である。 >> 物をはかること。心の中でおしはかること。、、(省略)、、、。「忖度ソンタク・尺度・度量衡」 ここで最近はやり言葉の”忖度”という言葉が出てきたよ。これもついでだから調べる事にしよう。 >> (「忖」も「度」も、はかる意) 他人の心中をおしはかること。推察。「相手の気持を〜する」 この言葉、今では毎日のジョギングですれ違う高校生達でも知ってるよね、多分。 よって本気度とは「冗談や遊びでなくとり組むさまを”はかる”、”はかったもの”」、という意味だね。 お笑い芸人が、「オマエ、もっとマジメにやれよ、あっちの方が本気度出してるぜ、、、」、と言った場合、”あっちの方”が”オマエ”より一生懸命にやっている、という意味になるわけだ。 |
津市には陸上自衛隊の駐屯地がある。 ここは100年前に旧陸軍の駐屯地として作られ、かつては歩兵第三十三聯隊(れんたい)があった。 この聯隊の聯(れん)という字、常用漢字にはない。普通は使われない漢字である。 しかし高校の時(大昔だな〜)、習字の先生が、「久居の三十三聯隊、最近はみんな”連隊”という字を使っているが、どうもピンと来ん。連隊は”聯隊”でなきゃイカン。」、とか言ってたのをナゼか覚えている。 そこでここでは旧陸軍については”聯隊”、自衛隊については”連隊”を使って区別する。 さてこの久居三十三聯隊の創設は明治初期らしいが、太平洋戦争では1941年(昭和16年)にルソン島に上陸、ボクがいたカランバの近くにも駐屯していたらしい。 そして1945年(昭和20年)5月にレイテ島で玉砕、と記録にある。 昔の歩兵聯隊は将校と一部の下士官を除き、全てが郷土出身者で編成されていた。 つまり玉砕した三十三聯隊の3000人は、徴兵で集められた三重県人ばかりだった、と言える。 普通は玉砕と言ってもごく少数の生き残りがいて、どうやって戦い、その最後はどうだったのか、何らかの記録がある。 しかし三十三聯隊は全くわからない。 全く、である。 ナゼか。生存者が文字通り”ひとりもいない”からである。3000人が一人残らず死んでしまったのである。 こういうのも珍しいらしい。 ボクはこの前までフィリピンにいた。三重県人の部隊が自分の会社の近くにかつて駐屯していたことを偶然に知ったので、少し調べた。それでこういう事がわかった。 ボクはこれを知ったとき涙が出そうになった。悲しかった。3000人の多くはボクの父親、叔父の世代であった。 73年というのはそんなに遠い昔ではない。ほんのこの前、と言っていいと思う。 2週間ほど前、久居町に住む知人のHさんから連絡があった。 歩兵三十三聯隊があった久居駐屯地、これを現在使っている陸上自衛隊が開隊66周年の記念行事を行うという。 4月15日(日)、ボクは見学に行ってみた。 |
Hさんは記念式典が行われる、駐屯地横の演習場に設置された正面のひな壇席を確保して待っていてくれた。 式典は関係者の祝辞と部隊行進、そして模擬戦の展示で全部で2時間。 先ず県知事とかの来賓が何百人もの隊員が整列した中にバスで入場、最後に黒塗りのセダンに乗った本日の検閲官である陸上自衛隊第33普通科連隊長が入場して始まった。 ここからボクの言いたい放題・暴言が始まる。 当たり前であるが、整列している何百人の隊員は、全員武装した隊員で戦闘集団である。どう猛そうな連中である。 しかし、だ、部隊長は制服(礼服?)を着て、おまけにピカピカの黒塗り(トヨタ・クラウン)でご入場である。 呆れたね。 隊員との一体感が全くないじゃないか。 連隊長とはこの戦闘集団の親玉だろ?親玉であれば何百人の隊員と同じ戦闘服で現れたらどうだ? 黒塗りで入場? これも戦闘集団の親玉であれば戦闘車両、せめて迷彩のジープくらいで入場したらどうかね。 何考えてるんか、と言いたかったね。 訓示がまた通り一遍というか、何も記憶に残らない内容だった。一番イケなかったのは”我々”、という言葉が一切なかった点だ。 ここでも部隊の頂点に立つ者として、部下の隊員との一体感が全く感じられなかった。 隊長さんの演説を意訳して要約、更にかみ砕くとこうなる。 「ま、世の中いろいろあるようだから、君たちも頑張ってね。ヨロシクね。」 ”君たち”と”自分”は別の立ち位置だと言い切ってたね。 これはボクじゃなくても愕然とすると思うよ。 整列していた何百人の隊員は、いざ有事の際はこの男の命令で命をかけなくてはならない。実に”本気度”100%でないと務まらない任務を持っている人達だ。 これに直接命令を出すのはアンタだろ?そんな他人ごとでいいんかい?おい。 この日見聞きした限りでは、連隊長さんの本気度は殆ど伝わって来なかった。ボクの評定、”本気度、ほとんどなし”、だね。 (本気度とは何か、もう一度一番上を見て欲しい) 普段はそんな事はない、ともし言うならば、一般市民が見守る中でこそ隊員と一体になった隊長の姿を見せるべきであろう。 違うかね? |