貴方のお値段は?(2020年4月7日) |
同一労働同一賃金というのが巷で話題になっている。 既に殆ど仕事をやってないボクにとっては特に関係のない話だ。どうぞ勝手にやってくれ、という感じだ。 時々顔を出すある会社でも話題になって、役員さんとかがワイワイやってるが聞くだけにしている。意見を求められる事もあるが、ボクは原則論を言うだけであまり細かくは言わない、というか言えない。 でもこの件に関して参考にしているところが一つだけある。それは厚労省のホームページだ。いくらボクだって知っておかないと変な事言っても困るので、ここには目を通している。 ボクって割と真面目だろ? この読みにくい、わかりにくい、いつでもどこでも言い訳がやりやすいように仕組んだ、役人どもが作った巧妙なホームページを見ると次のような事が書いてある。 同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。 更に次のように書いてある。 パートタイム・有期雇用労働法:大企業2020年4月1日、中小企業2021年4月1日より施行。 労働者派遣法:2020年4月1日より施行。 ボクはこの考え方には基本的に賛成だ。 ”同じ仕事をやってるのに正規のおっさんと非正規のオバさんの給料が2倍も違う”のがおかしいというのは小学生だってわかるよ。 |
これじゃボクのホームページはここで終わってしまう。 主旨に沿ってここから暴言、言いたい放題を開始するぞ。 先ず、みんなはこの不合理極まる差別をなくす、つまり善良そうで昔は結構べっぴんさんだったと思われるこのオバさんの給料が上がる、いい事だ、と言う。 バカか、とボクは言いたい。 何でか。 正規のおっさんが非正規のオバさんの2倍の給料をもらっているのがそもそも不公平であって、このおっさんの方の給料を下げればいいじゃないか、これが公平というものだ、違うか? いろいろ細かいところはあるが、先ず、この考え方を前提に賃金などの見直しをすればいい。 厚労省の言うところの、「不合理な待遇差の解消を目指す、、、」、とこうなる。ボクは間違ってるか。 ちょっとだけ真面目な話をすると会社というのは人件費にかける事ができる原資(お金)というのは厳しく管理している。枠を決めてこの中でやりくりをする、というのは経営のイロハだ。 実際はいろいろあるけど、ボクのホームページはこういう事を解説するために作ってないので全部省く。 この枠を超えるとどこか他で増加分を吸収する必要がある。できないときはその会社が生み出すモノ、サービス等の値上げをするしかなくなる。 結果どうなるか、これも超々簡単に言うと競争力がなくなり、倒産の第一ステップを確実に歩み出す。 こういう事だ。会社がなくなればおっさんもオバさんも給料はゼロになる。 何でそんな大げさな話をするんだ?という苦情が聞こえそうだが再度バカか、と言いたい。 今までオバさんに20万円の給料を払っていた会社が来月から40万円払うにはどうすればいい?そしたらどうなる?こんなの中学生だってわかるよ。 |
本当はこのコラムの主旨に反するのでイヤなんだけど、ちょっとだけ真面目な話をしておく。 日本と外国では仕事と賃金の関係に決定的な違いがあるのだ。 外国では仕事に値札がついていて、その仕事をするとその値札の賃金をもらえる。だからおっさんがやっても先程の元べっぴんさんのオバさんがやっても、同じ仕事なら基本的に同じ賃金になる。 そうだ、同一労働同一賃金なのだ、この仕事に値札という考え方が。 日本は違う。 日本は人に値札がついている。 だからおっさんがある日から全然他の仕事、もっと単純な仕事、又はもっと複雑な仕事をやっても(できるというのが前提だが)給料は変わらない。この場合オバさんも同じ事が言える。そこに更に年功序列賃金制度というのがあっておっさんの値札、つまり給料は歳と共にジワジワとあがっていく。 アメリカの会社での経験を言うと生産ラインでネジ回しやってる50才のおっさんと20才のアンちゃんの給料はほぼ同じだった。 ネジ回しという仕事に値札がついているのでこういう事になる。 結果、おっさんにとってはちょっと少な目の給料、アンちゃんにとってはスゴイ給料という事になる。 何が起きるか?人間金を持つとロクな事はない、これは万国共通。 アンちゃんはクスリやったり、酒飲んだり、ロクでもない事を始めて結局はダメになっていくのがいる。 こういうのが話題になったし、周りの連中も、「給料もらい過ぎるとよくないよね」、とか言うのが結構いたよ。 会計を勉強してきたのが一旦工員で会社に入り、経理部であるポジションが空いたのでそこに転属、給料が1.5倍になったというのが他の会社であった。日本じゃこういう転属があっても給料は基本的に変わらないよね。 人ではなく仕事に値札をつける、これになると能力主義、専門性重視になって転職社会になっていく。採用する側はやってもらう仕事の中身と要求する技能・技術を超具体的に示して給与額を言い、雇われる側はその要求される仕事をする能力がある事を証明・売り込む。 日本流がいいかアメリカ流(外国流)がいいか、待遇だけをあれこれ言ってる厚労省は話にならんね。 え?働き方改革でそうなる?ならんね、日本は。 これはまた別途。 |