ヘイトクライムの原因は何か(2021年05月08日)
コロナが世界中に蔓延してこれで1年半になる。コロナの感染源は中国・武漢である事は世界中の国が事実として認識をしている。
アメリカではCNNとかABCはコロナの感染源である中国についての報道をずっとやっていたが、今は広まってしまった感染を抑える方が重要なので、最近はコロナと中国の関係についての報道は下火になっている。

一方欧米、特にアメリカで東洋人を狙った突然の暴行、ヘイトクライムが頻繁に起きている。なぜ東洋人へのヘイトクライムが頻繁に起きているのか、その背景にはコロナ感染がある。
これだけ人の命を奪い、仕事を失い、日常生活をメチャクチャにしたコロナの感染源は中国である、というところからその鬱憤が中国人に向かっているのだ。

であるから対象は中国人であって、”東洋人”ではない。マスコミが、「東洋人に対するヘイトクライム」とか言ってるが明らかに偏見報道、又は取材不足である。
ただ外観から半島人も日本人も中国人との違いは分からないので、結果的に東洋人全体がその攻撃のターゲットになっているのだ。

ヘイトクライムはドイツでもイギリスでも同じで、東洋人が身の危険を感じることが多々あるという。

西欧では東洋人と言えば”中国人”である。
ボクが住んでいたオハイオでも一般的にそういうイメージだった。
ちなみに、"東洋人=日本人"という図式は昔も今もそれほど強くはない。
これは日本人はよく知っておくべきだ。

ボクはNYの地下鉄のホームで白人に行き先について質問をされた事がある。こういうのはよくあることだ。

東洋系アメリカ人は普通に一杯いるので、ボク達旅行者が道を聞かれたり街中で突然何かを質問されたりするのは珍しくはない。
アメリカでは肌の色でアメリカ人かガイジンかは判断できないのだ。

この時は、「私はここの訪問者で詳しいことはよく知りません。すみません。」という返事をしたのだがその白人から、「ところで貴方はどこから来たのか、チャイナか?」と聞かれた。
「違う」と言ったら、「じゃ、コリアか?」ときた。再度、「否」と答えると少し考えて、「じゃ、ジャパンか?」、と聞かれたので「然り」、と返事をした。

これと同じような事が偶然にも地下鉄で過去に1回あり、彼等の質問は彼らの描く東洋人と国の関係のイメージを良く表していると思った。東洋人=中国人なのだ。

少し前まで日本でも白人を見るとドイツ人でもフランス人でもみんな"アメリカ人"だったのと同じかも知れない。
これって間違われた国の連中はものすごく嫌だった、というのを何かの本で読んだことがある。

少し前にジョージア州で若い白人のアメリカ人に5人(8人という報道もあった)の東洋人の女性が殺された。これは割と大きなニュースになっていた。殺された5人は全員半島系の女性、殺された場所は風俗店、女性達はそこの従業員で犯人の白人は風俗店の客であった。
(後日の報道で理由は書いてなかったが、犯人は半島系の女性だけを狙ったと供述している、というのがあった。)

最近日本人がヘイトクライムの被害者になっているが、人口比率とかその目立ち方から推測すると、恐らくその5倍とか10倍とかの中国人・半島人が被害に遭っているのではないか。

中国はコロナだけではなく、軍拡・領土侵犯と巧妙な経済的侵略、香港の民主化阻止問題、ウイグルの人権抑圧問題で今や世界中から独裁国家・諸悪の根源とされており、G7でも各国は中国を締め上げる事で意見が一致している。
今や20世紀のナチス・ヒトラーの第三帝国以上の存在と言える。

そういう中で当然の成り行きとして中国(人)は憎き存在であり、ヘイトクライム・サンドバックの対象にするのは善悪は別として理屈は成り立つ。

であるからこれらのヘイト・クライムは”東洋人が目標になっている”のではなく、”中国人がターゲットになっている”のであって、その中で他の類似民族(この場合外観が似ている半島人、日本人)が”巻き込まれている”、というのが正確な言い方になる。

中国以外に東洋人のイメージを大きく損なっているのは北朝鮮である。北朝鮮はICBMばかりでなくSLBMまで開発をしていて、間もなくアメリカ本土を攻撃できる能力持つ。

かつてはベトナム人もアメリカでは虐めの対象であったが、これは別途詳しく書きたい。

東洋人に対するヘイトクライムは中国・北朝鮮の行為に対する西欧人の反発と憎悪がその原因の一部であるというのは目をそらせてはならない。
我々がもう一度認識しなくてはならないのが、一般の欧米人は日本人と韓国人と中国人、それに台湾人の区別はつかないという事だ。東洋人=中国人であるから中国人を狙っていても結果として日本人韓国人も対象に入ってしまう。

では日本人はヘイトの対象ではないのかというと、アメリカでは日本(人)は80年前に真珠湾の騙し討ちをやった卑怯極まりないな国(人)というイメージがびっくりするくらい深く染み込んでいる。

何を今更80年も前の話を、、、と思っているのは日本人だけである。アメリカ人で"パールハーバー・アタック"を知らないのはアメリカ人じゃない、というくらいにみんなその背景と日本人の行為はよく知っている。
日本人もかつては、いや今でも"卑怯な東洋の猿"というイメージはしっかり残っている。

元々存在する黄色人種に対する絶望的とも言える差別、そして中国発のコロナと中国の世界に対する露骨な軍事的挑戦、ルール無視の経済的侵略、更に北朝鮮の核武装、、、毎日の中国と北朝鮮に対するあの報道を聞いていれば今の世の中を引っかき回している諸悪の根源は東洋人! という図式がコロナの世の中になって更に強調されている。

現在のヘイトクライムは彼等の心の底に深く沈殿する根深い
東洋人蔑視、最近の中国の唯ならぬ動きに対するマスコミ報道コロナ感染源としての中国への憎しみと警戒感、加えてコロナによる経済的な影響・失業、家族知人の死亡などの身近な問題が引き金になって起きているのである。
従って、「東洋人へのクライムは止めろ〜!」、などと叫んでも根は単純ではないので効果はない。

ではこういう東洋人全体に対するイトクライムに巻き込まれている我々日本人はどうすればいいのか。

結局は「日本(人)は中国人、朝鮮人とは違う」、という事をあらゆる手段を使ってもっと見えるように主張するしかないのではないか。

実際に露骨にヘイトクライムを行っているのは貧しく、低学歴の連中が多い。しかし同じ考えはそれ以外の多くの人達も持っているのは知っておくべきだ。
大人の理性でその感情を表現したり行動に移していないだけだ。
これはボクの15年間のアメリカ生活を通じて自信を持って言える事の一つである。

かつて欧州では日本人と他の東洋人は別のイメージで扱われていた。
具体的には
今から35年以上前のドイツでは多くの韓国人が日本人と偽って動き回っていた。その方が何かと便利で相手と話しも通じやすかった、つまり日本人と言うだけで信用が得られた、というのが理由であった。

「えー、そんなのウソだろう?」、と言われそうだがこれは
知る人ぞ知る”事実”である。ボクは初めての欧州出張で現地の駐在員からこの話を詳しく聞いた。
現在の様々な外国人が日本の赤いパスポートを欲しがるのはナゼか、これを考えるとわかりやすい。

欧米でも我々は
尊敬される行動と態度を見せ、そして日本は強く誇りある国である事を堂々と見せる、、、。
これが我々が
宿命として持つ黄色人種としてのハンディキャップの克服、そして我々がヘイトクライムから逃れる唯一の方法ではないか。
時間はかかると思うが。