欧州動乱史(2022−05−05)
2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻から既に2ヶ月半、世界最強の軍を持つひとつの国と言われてきたロシアが、軍事的ないくつかの理由により侵攻作戦が思ったように進展していないようである

ウクライナ戦争に関してのボクの情報源は皆と同じ毎日のテレビ、ネットのニュースなどである。ネットでは海外(アメリカ、イギリス)のニュースに頻繁にアクセス、これと日本のニュースを比べると日本のニュース・解説は作戦がナゼ進展しないのか、かなり説明不足だ。

この2ヶ月半を通じてわかったこと、というか我々が”事実としてキチンと認識しなくてはならないこと”が3つあるとボクは思っている。
一つ目は、まず国連はこういう軍事行動に対しては見事に無力であるという事実。日本人は国連は国家の上に立つ組織だという、とんでもない事を未だに信じている人がいる。
国連に日本語パンフレットはない
そして政治家とかマスコミは、ロシアは国際法違反だという。国際法を国内法と同じレベルで考えている。

国際法についてはその立法機関も、裁判機関も、法を執行する機関(警察、軍隊)もない。ボクは国際法とは国際間の慣習のただの寄せ集めである、と聞いた事がある。

二番目が核兵器は抑止力ではなく、ひょっとしたら実際に使われる可能性がある兵器である、という事実。
多くの人は"核兵器は使われることのない兵器"と思ってきた

北朝鮮が国民を餓死の瀬戸際まで追い込んででも、核開発とICBMの開発をやっている意味を理解しなければならない。

三番目が現代の戦争は非戦闘員、戦闘員の分け隔て無く大量の犠牲者が出る、しかも容赦のない殺し方、殺され方をするという事実。

しかし特に日本人は、戦争で自分達の住む場所が殺し合いの舞台になるという感覚は希薄ではないか。実は大東亜戦争・朝鮮戦争・ベトナム戦争、全てウクライナ戦争と同じ、兵士も民間人も関係なかったのを忘れていないか。

ボクは日々のロシアのウクライナ侵略について、無責任かつ脳天気なコメントを堂々と口にするタレント、評論家、そして何とかの先生と呼ばれる人達を見ると腹が立つ。ボクはこれら3つを事実認識をした上での意見、コメントを聞きたいのだが殆どないね。

そんな中ボクは今週の火曜日に"週間東洋経済(2022,5.14)"を受け取った。「世の中の事を知るには経済を中心に見るのが一番いい。」、というボクの先輩・大先輩の考えを受け入れ、ボクのレベルでも理解できて肩の凝らない雑誌としてこれを年間購読契約をしている。

今週号の特集は「地政学と歴史から"今"を読み解く"欧州動乱史」である。経済誌なので只の歴史解説ではなく、経済からの切り口が入った記事で、特集部分は約50ページあり、うまくまとめてあると思った。

”1.ウクライナの侵攻はなぜ起きたのか”、から始まって、ロシアとウクライナの複雑な関係、ドイツ・ポーランド・フィンランド・バルト3国はロシアとどう対峙するか、この200年間の東西の協調と戦乱の歴史がスポット的に書かれている。

スターリンとは何者だったのか、第一次大戦とは、そしてその後に続くロシアとドイツの絶滅戦争について、最後は"社会主義国家の教訓"で締めてある。

記事はウクライナ戦争を理解するためであって、欧州の一般的な近代史解説ではない。読んでみての感想は、ボクの持っていた断片的な知識が少しではあるがそれぞれが細い糸で繋がったのを感じる。

例えば大正時代(1920〜21)に穀倉地帯のウクライナで100万人の餓死者が出ている。ボクはその原因については"不作"くらいに思っていたのだが、それは違うのだ。作物は収穫できている

原因はソ連を建国するための内戦でレーニンが戦争に必要な穀物を徴発したため、とある。
ロシア革命でウクライナは独立宣言をしたがレーニンが許さなかったのである。

その後継者のスターリンもソ連の工業化のために、穀物をウクライナから再び根こそぎ徴発を行い(昭和7年〜8年)300万人〜600万人のウクライナ人が餓死している。ちょっと信じられないが事実である。

こんな感じでロシア(ソ連)とウクライナの関係のキーとなる項目にスポットを当てて解説されている。ウクライナの農村風景がたまにテレビに映るが、はるか彼方に低い山が見えるだけの大平原である。(写真はそのイメージに一番近い、ドイツだったかで撮影したもの)
第2次大戦ではナチス・ドイツがウクライナ(当時はソ連領)に侵攻したが失敗している。る。

この週刊誌はその時の特集に合わせて関連する書籍などの紹介をする事がある。今週号は"欧州200年の歴史を知る映画12選"が紹介されている。
ボクは、”戦場のピアニスト”、”戦艦ポチョムキン”、”ドクトル・ジバゴ”、”西部戦線異状なし”、”ひまわり”、”パリは燃えているか”、の6本を観ている

”戦艦ポチョムキン”はボクが高校生の時に(いつの事だ?)文化祭で初めて観た。この映画は1925年に制作された共産主義のプロパガンダ映画である事はずっと後になって知った。
しかしこんな味付けの濃い映画を、高校の文化祭でよくもまあ上映したものだと思う。ま、ボクの学校は左巻きの塊みたいな教員と、その予備軍の生徒が多かったから無理もなかったかも。

これを観ると小林多喜二の"蟹工船"を何となく連想してしまう。"蟹工船"もこの頃に書かれているので、何か関係があるのだろうか。

"戦場のピアニスト"(2002年)はシカゴ⇒成田の14時間の長〜い国際線の中で初めて観た。2〜3年前にDVDを買った。
これはドイツ占領下のポーランドでのユダヤ系ピアニストの運命について、実話である。

”ひまわり”は何十年も前に封切りを映画館で観た。これもその後DVDを手に入れ、たまに観る事がある。

"ひまわり"と似たような(似てないか)ストーリーで、題名は忘れたがいわゆる"生きていた英霊"の芝居を何十年も前に劇場で見た事がある。

大東亜戦争後の話である。戦死公報が出た兵隊が実は生きており、復員したら妻は自分の弟と再婚していた、という内容だったと記憶する。これは実際にあった話と聞いた。

ボクは観てない残り6本の中の1本"ライフ・イズ・ビューティフル"のDVDをAMAZONで「ポチッ」とやってしまった。”善き人のためのソナタ”、”赤い闇、スターリンの冷たい大地で”なども面白そうである。

"欧州200年の歴史を知る映画"はボクだったらロシア映画の"スターリングラード"を追加、それと”ひまわり”なんかよりオーソンウエルズが顔を出す"第三の男"の方がいいんじゃない?とか、、、キリがないね、こういうのは。