英国についてー1(2022−10ー03) |
英国のエリザベス女王が亡くなり、その葬儀が行われた。日本からは天皇皇后両陛下が出席をされ、葬儀の様子、英国民の反応などが日本でも報道された。 日本の皇室にとって英国王室は一番近い存在、そしてかつての日英同盟などを取り出して、「英国と日本は兄弟・姉妹と例える事ができます。」、こんな事を"イギリス専門家"なる人が言っていた。 ボクは英国には短期間3回行っただけ、仕事上でも英国人との付き合いは限られていたので、英国とその国民について論じる程の体験も知識もなかった。そこで今回の女王の逝去を機会に、英国とは一体どういう国なのか、ボク流で英国の過去を少し洗って、そして考えてみた。 |
キリスト教を信仰し、当時から民主主義国家であった英国が、ほんのこの前まで植民地、旧植民地に対してやってきた支配と搾取は信じがたい事ばかりである。 キリスト教は排他性の高い宗教である。キリスト教徒(洗礼を受けた人)は"人"であるが、洗礼を受けてない者は人ではない。これは植民地支配に便利な宗教であったと言える。民主主義の根幹である選挙は、選挙権のある国民は19世紀時点のロンドンで男は15〜20%程度(地方を含めると数%レベル)、女にはなかった。 また英国は奴隷貿易大国でもあり、英国他の国々は19世紀までの300年間に1200万人をアフリカからカリブ海、アメリカに送り込んだ。 この後遺症が結局は今でもアフリカの発展を妨げている、と明言する人もいる。アフリカからの人的資源と天然資源の搾取は徹底しており、我々の想像を超える。 このようにして400年以上の間、世界中の多くの国と人々の犠牲の上に成り立ってきた国、それがイギリスである。 これらの国々も今では独立国として、英国と対等な立場にいる。 国連加盟国193カ国のうち130カ国以上は欧米の旧植民地国で、英国植民地であった国々はエリザベス女王をどのように見てきたのか。もっと言うと英国を許しているのか。 エリザベス女王が亡くなったのを機会に、ほんのこの前まで過酷な支配をしてきた国々に対し、一言謝罪があってもよかったのではないか、という意見がある。 これはエリザベス女王の生前から、彼女が旧植民地を訪問する度に言われてきたが、英王室は一切無視である。 今回も「謝罪を期待する」、と明言していた国が幾つもあった。 エリザベス女王は若いときから落ち着き払って、いつも自信に満ちた王にふさわしい態度のように見えた。これがイギリス国民に人気があった大きな理由のひとつである。 われわれ日本人はエリザベス女王が(今は政治的権力はないが)君臨していたイギリスという国をどこまで知っているのか。ボクは今回イギリスの生い立ちについて断片的な知識を整理するために簡単に調べ直してみた。 日本と英国の関係についてはもう少し詳しく調べたので(2)で要約を記述しておく。 |