ボクらの世代と働くについて(2022−11ー08)
ボクは団塊の世代の真下の世代である。中学校で僕らは1学年9クラスだったが、2つ以上前は12クラス(!)あった。しかも1クラス50人以上。
ボクが小学校6年生の時、クラスには60人くらいの生徒がいたのを今でも覚えている。教室は文字通り"すし詰め"だった。
60人をひとりで担任できる小学校教員が今いるだろうか。これをやれば1日で登校拒否になるんじゃないか?
生徒じゃなくて教員が

ま、先生はともかく、当時の僕らに大変とかの感覚は微塵もなく、毎日給食を残さず平らげ、実によく遊んだ
勉強について先生は1日45分、できれば1時間の復習・予習を自宅でやるように言っていたが、ボクは30分以上どうしてもできなかった

そんなボクでもその後進学もできたし、社会人になってからもあまり不自由しないで普通にやってこれた。(と、思っている。)

今の小中学校は、より上等な教育をするために40人学級、いや35人学級とか言ってる。

では僕らは今の子どもよりアホだったか?常識なかったか?運動できなかったか?

現役の教員の話などを聞くと、全然そうは思わない。教育の質とクラス人数の関係がないのは、ボクらを少しいじくってもらえば誰でもわかる。(かなり暴言)

それはともかく、自分ではそういう記憶は全くないが当時は日本中津々浦々、昭和21年から26年生まれの子どもで溢れ返っていたんだね。

そして月日は流れた。ボクは今でも小中学校の男6〜7人、女3〜4人と交流があり、この2年間はコロナでできていないが皆は時々K君の家に集って宴会をやる。

この仲良しメンバー、そして噂に上がるかつての男の悪ガキどもは全て異常に元気な爺さん、そして可愛かった育江ちゃん達の女もその面影を5%、いや3%くらい残して押しも押されぬ立派な婆さんになった。

みんなあまり口には出さないものの、そろそろ人生の次のステップについて考え始める年頃である。

70才ちょっと過ぎのボクらの世代は、まだまだ働いている人が多い
自営業の人は間違いなく殆どの人が働いている。サラリーマンは今では99%の人が65才まで再雇用、又は定年延長で働ける”環境”が準備されている。

しかしほんの少し前まで、理屈抜きで60才以降の再雇用というのは、まだ限られた少数の人達だけだった
そんな中、ボクのいた会社は再雇用制度導入が世間より早い方で、ボクは再雇用一期生になって3年間勤めた。

再雇用制度はその後選択定年制(自分で定年を選べる)になって、結局みんな65才まで働いている

高齢社会白書(内閣府)というのによると、60才〜64才の就業比率は男(85%)、女(60%)、65才〜69才の男(60%)、女(38%)、70才〜74才の男(40%)、女(23%)、75才〜79才の男(12%)、女(6%)となっている。

就業形態の内訳はボクの同世代(70代)では正規採用者は25%で、残りはパート・アルバイトである。
これらの数字はボクの周囲の人を見ても大きなズレはなく、実感できる。

高齢者になっても働く理由についても統計があるが、ボクの感覚では(1:経済的理由)+(2:時間の使い方)+(3:健康維持)+(4:貢献・生き甲斐・使命感)の4つの要素が組み合わさっていると考える。

仕事をしないと食っていけない。」という”現実派”から「家でブラブラしていても何だし、それだったら週に3〜4日仕事をやった方が経済的にも余裕が出るし、健康にもいいよな〜。」という”お気楽派”まで様々である。

上記1、2、3、4がそれぞれの置かれた立場と考え方によって、比率と順番が違うわけだが、1.が最大の要素であるのは間違いない。一方、ボランティア−は1.を外し、4がメインの理由と言っていいだろう。
自営・自由業の人は、サラリーマンのような年令による強制的首切りがなく、自分で定年を決めるので70才でも80才でも仕事をやれる。

政府は10年以上前に仕事は"60才まで⇒65才まで"を施策展開し、世の中を変えた。
これに対し「国民を65才まで働かせるつもりか。」、「政府は年金支給を遅らせるために定年延長をやった。」、という相当強い声が当時はあった。

これは一部は正しいが、大半は間違っている。こういう意見を吐く人は、退職後は年金だけで生活できると思っていたフシがあった。元々公的年金だけで生活できる人は日本には非常に少ない、という事実がある。

ヨーロッパのように消費税20%以上、年収500万円でも所得税40%とかにすれば何とかなるかも知れないが、日本国民は政府を信用していない典型的国民なので、それは無理。
老後の支えはズバリ、次の4つ(の順番)ではないか。

1.働く(労働収入)
2.資産(貯金など)
3.家族の支援
4.公的年金


国民年金(基礎年金)は4.であるが、厚生年金は現役時代の収入に比例するので4.に2.の性格が加わると考える。
また企業年金は完全に2.である。

日本社会はかつては3.が大きな位置付けにあったが、家族制度が変わり相対的に小さくなったので、3.を除く3つの要素が主となっている。

しかし何もかも公的年金でまかなうなどと言うのは有り得ない。世界中どこをみてもそんな国はない。

政府も「年金での生活は何とか可能」、みたいな言い方を続けてきた事に問題もある。2.は2000万円問題とかでマスコミが騒いだ。政府は1.と2.を改善するために65才まで働ける制度を雇用側に義務付け、同時に年金支給年齢を遅らせ、年金財源確保の強化をした。

この施策がなかったら、今のような基本的に誰もが65才まで働ける世の中にはなっていない。60才で一旦首を切られ、就活をしなければならないというのは、結局は老後の経済基盤に多大な影響を与える。
ボクは政府はカネを配るのではなく、仕事を配れるようにするのが役割だと思っている。

ちなみにボクの場合1.は68才寸前まで、3.はない。現在は多くの人と同じ、2.と4.で生きてる。