クリスマスこそ生きがい(2021−11−08)
気が付いたら11月、最近特に何だか月日の経つのを早く感じるようになりました。しかし毎日穏やかな秋の日で、特に日没時の夕焼けを見ていると子どもの頃を思い出します。
やっぱり歳を重ねると過去を思い出す事が多くなる、昔親父が言っていたのは本当だな〜、、、。

オハイオに住んでいた頃は11月になると早朝は気温がマイナスになり、風景は秋から冬に急激に変わっていきました。それでも年によっては上旬までは紅葉が残っていた事もありました。

11月と言えば、そうです、サンクスギビング・デー(感謝祭)、アメリカ人にとっては1年で一番大事なお祝いの日だと思います。

基本的にクリスマスはそれぞれの家で静かに過ごす日で人の往き来は非常に少なく、12月25日はアメリカ中がシンとしていると言っても大袈裟ではないと思います。

これに比べてサンクスギビングは1年で一番人の動く時です。
この日は家族や親戚が誰かの家に集まってターキーを食べたりするのが一番オーソドックスな過ごし方で、500kmとか1000kmを車で往き来する、というのは普通です。

そんな訳であの流れのいいフリーウエーも州・地域によっては車で一杯になり空港は人でごった返し、テレビでもニュースになります。サンクスギビングは11月の第4木曜日ですから今年は25日で、日本で言えば正月とお盆を一緒にしたようなものだと思います。

ボクがオハイオに赴任したその年のサンクスギビングに、Bさんというアメリカ人がボクを自宅に招いてくれ、これが大きな思い出になっています。
その時は単身赴任中だったので家族と会えないサンクスギビングなんて囚人と同じじゃないか、というので呼んでくれたのだと思います。

ボクは彼の奥さんへのプレゼントに花を買ってお昼頃に彼の家に行きました。後でわかったのですが奥さんは何と花屋で働いており、花ではなくワインにしておけばよかった〜、と大いに後悔でした。

Bさんの家は新しくて広く、14〜5才の娘さんから70才くらいの年配者まで15人くらい集まっていました。全部BさんとBさんの奥さんの親戚でした。

料理は大量に作って台所に置いてあり、そこから各々がお皿に盛って持ってきて、数人でグループを作ってビールを頂きながら食べる、そしておしゃべりをする、こんな感じでした。

ボクは、「 お仲間に入れて下さい。」、と言いながら適当にグループの横の空いている椅子に座り、

「私はSHIN Nと言います。この6月に日本から来てD市に住んでいます。Bさんと同じオフィスです。」
とか自己紹介をして仁義を切り、話に混ぜてもらいました。

ボクが入ると自然に日本の家族とか日本についての話になりましたので、用意した写真を見せながら家族とか身の回りの事などの話をした記憶があります。

やっぱり女性は女性で集まってペチャクチャやるし、オジさんはオジさん同士という感じでした。実に和気あいあい、ボクも家族の一員のように扱ってくれました。アメリカ人は初対面でもフランクに振る舞い、ニコニコして大きい声で大いにしゃべる、これが大切な事をここでも教えてくれました。

サンクスギビングと聞くとあの時のBさん一族の事を思い出します。

サンクスギビングが終わるとクリスマスです。ボクは何年か前にフリピンに住んでおり、その時に経験したクリスマスがなかなか衝撃的でした。
先ず、、、フィリピンではクリスマスは9月頃からボチボチ始まります。これにはびっくりしましたね、ボクも。

大きなショッピングモールに行くとイルミが点灯を始め、クリスマスソングが流れているのを聞いて、これって何かの間違いだろうと真剣に思いました。

10月の半ばからはもうクリスマス一色と言っていいくらいになり、私の日本人の知人などは、「フリピン人はクリスマスのために生きていると言ってもいくらいです。
11月末くらいからは皆そわそわして仕事がはかどりません。」、と言ってました。

確かにその頃になるとみんな何かしら浮き浮きした動きというか、表情というか、そんな感じが明らかに伝わってきました。

そして彼等にとって一番重要な、"13th month pay:13ヶ月目の給料"、がもらえるのが12月なのです。これは法律で決まっており雇用者は12月の前にその職場で(確か)3何ヶ月以上右働いた被雇用者に1ヶ月分の追加の給料の支払いの義務があるのです。

対象は世の中で被雇用者として働いている全員で、これはレストランの従業員とか、何とクラブのホステスなども受け取っているのがいました。(何で知ってるんだ?)
エー!そうなんだ〜、ボクもびっくりでした。

そんな訳で12月になるとプレゼントが行き交い、パーティーに精を出す、、、こんな感じでした。

ボクはVPと一緒に取引先を回ってクリスマスプレゼントをCEO,VPなどに配る仕事がありました。逆にボクも一杯もらいましたが手許に残しておきたいな〜、というものはあまりありませんでした。

会社はホテルを借りて全社員参加のクリスマスパーティをやりましたが、全員正装で女性はロングドレス、それにビシッと決めた化粧で「あれ?これ誰だっけ?」とか変身しており、戸惑ったりしました。

フィリピンのクリスマスの飾り付けなどが取り込まれるのは1月中旬くらいなので4ヶ月間はクリスマスという、多分世界一の長さだと思います。

11月になってそんなフィリピンのクリスマスをちょっと思い出したりしております。しかし、今のボクに彼等のクリスマスのように1年でワクワク待ち焦がれる行事ってあるのか、考えると思いつきませんね、ちょっと寂しいような、、、。