1円のラッキー・プレゼント(2022−05−20)
ボクは映画ファンである。新しい映画は評論などを見てDVDを買ったりしているが、中心は1980年代までのハリウッド、ヨーロッパ(フランス、イタリー)、そして日本映画を少し、こんな感じである。

現役の時は海外出張先で、休日に映画館に入った事もあった。何十年も前にベルギーのブリュッセルで観た映画で、もう一度見たいと思っていたのがあったが題名を覚えていないので探すのを諦めていたところ、偶然に見つける事ができやっとDVDを手に入れたというのも少し前にあった。(タイトルは"人類創世"フランス・カナダ共作)

ボクは旅行も趣味の一つで、映画のロケなどで使われた場所を結構多く訪ねている。映画で見た実際のシーンが目の前に広がるというのは、やはり感動するね。

"サウンドオブミュージック"のドレミの歌を歌うシーンのザルツブルグのミラベル宮殿"第三の男"ウイーンの街通り、どれも素晴らしかった。

西部劇では”シェーン”、ジョーイ少年に別れを告げて寂しく去っていくシェーン、その向こうに見えるグランドティートンの山々、これを実際に見た時ボクは感激のあまり立ちすくんでしまった。

西部劇と言えばジョン・フォード監督がロケ地として必ず使うモニュメント・ヴァレー、ここはアメリカに住んでいる時に1回、そして日本に帰ってからまた行ったので合計2回訪れている。
そして2回ともジョン・フォード、ジョンウエインなどが定宿にしていたゴールディングス・ロッジに泊まった。

"未知との遭遇"でロケに使われたワイオミングのデビルズタワーにも行った。サンフランシスコではクリント・イーストウッドの”アルカトラズからの脱出”アルカトラズ刑務所跡、ここも2回行った。

ニューヨークを舞台にした映画は、昔から現代まで無数にある。
割と新しいタイトルの"マイ・インターン"(2015年)とかを見ると、「あ、あそこ覚えているな〜。」、という感じになって、自分も実際にそのシーンの中にいるような気分になる。

ニューヨークは10回くらい行ったが、オハイオから飛行機で1時間、もっと行っておけばよかったと今頃になって思ったりしている。

オードリー・ヘップバーン/グレゴリー・ペックの"ローマの休日"全て映画のとおりの風景だった。
ローマは何百年も基本的に町並みを変えていないので非常にわかりやすい。

ボクはかつてはアクション、西部劇、戦争ものなどが好きだったが、50才を過ぎた頃からホームドラマとか大人の恋愛ものが好きになってきた。

最近観たタイトルは"恋のゆくえ"(1989年)、兄弟でデュエットを組んできたジャズピアニストにボーカルの女性が加わって織りなす恋の物語、舞台はシアトル、、、なかなかよかったね。

2010年まではシカゴ⇔成田の13〜4時間のフライトの中で最新作の映画をよく観た。JAL国際線の映画は非常に充実しており、最新の有名作品が幾つもあって1フライトで最低2本、時には3本観た時もあった。定年後は国際線に乗る回数は減ったが、それでも時々乗る飛行機で観る映画は楽しみである。

ボクの好きなのは古い映画なので、観たいな〜と思った時はその都度AMAZONとか、BOOKOFFで中古のDVDを買ったり、時々ではあるはYAHOOオークションで手に入れたりしている。最近はホームセンターとかにも古い映画のDVDが置いてあるので、気が向くと買うこともある。

先日YAHOOオークションで「映画・DVD」を検索していると、1930年代〜1950年代のアメリカ・ヨーロッパのクラッシック映画DVD50本が、1円スタートで出ているのを見つけた。

どんなタイトルか、不鮮明な写真をよく見ると知っているのは2つくらいで、あとは聞いたこともないものばかり。「たまにはこういうB級作品もいいんじゃない」、という事で入札したのである。

1円スタートのオークションというのは、結局は競り合って3000円なり10000円なりのそれぞれ妥当な値段になって落札されるのが普通である。

それが今回は何と!!1円でボクが落札したのである。びっくりしたね、本当に。

オークションの説明には"動作未確認、ジャンク"となっていたのであまり期待していなかったが、着いた品物を見て2度目のびっくり。DVDは数本を除いて全部未開封の新品である。DVDは51本、そのうち18本が重複しており、実質的には33タイトルという事になる。

重複分は誰かにプレゼントするとして、1円で落札(送料は約900円)だから文句を言ったらバチが当たる。ちなみに出品者は過去に5000件以上の取引履歴があるので、業者(ビデオショップ?一六銀行?)のようだった。

送られてきた33タイトルのDVD、何となく聞いたようなタイトル(中身は全く知らない)が3つ。
  ・桑港(サンフランシスコ) : クラークゲーブル/スペンサー・トレイシー (1936年)
  ・我が家の楽園 : ジェームス・スチュワート/エドワード・アーノルド (1938年)
  ・地上より永遠に : バート・ランカスター/デボラ・カー (1953年)
ストーリーをぼんやり知っているもの1タイトル
  ・遠い太鼓 : ゲーリー・クーパー/マリオ・アルドン (1951年)

ボクは中から一番古い1932年(昭和7年)の"グランド・ホテル"というタイトルを観てみた。これはベルリンのグランド・ホテルを舞台に様々な人物(主として5人)がホテルという一つの場所に集い、それぞれが人生模様を繰り広げる、というストーリーであった。

このやり方は当時としては斬新で、その後場所はホテルだけではなく港、駅、空港、災害の場面などに人が集い、それぞれが何とはなしに関係を持ちながらストーリーを展開していく、これを"グランドホテル形式"と言うそうで、映画史に残る有名映画だった。

"タイタニック"、"タワーリング・インフェルノ"などは災害場面があって、そこに集う人々の人間模様を描いているし、名作"駅馬車"、そして"大空港"などもグランドホテル形式で、言われれば他にも一杯ある。

他のタイトルも幾つかサラッと観たが、1940〜50年代のアメリカの家庭、街など興味深い。
若い頃のゲーリー・クーパーとかフランク・シナトラなどが主演しているタイトルもある。

オハイオにいた頃、ボクより少し上の世代のアメリカ人から、1950年代のアメリカの普通の家庭の様子について聞いたことがある。

「SHIN,ボクが子供の頃はね、家に帰ると母親は必ず台所にいたね。母親は何日もかけてスープを作ってそれを家族みんなに食べさせてくれたよ。ボクは母親の横に立っていろいろ話をしたもんだ。今は両親とも外で働いているから、そういうのはなくなったけどね。」

DVDの中にはそんな話と結びつきそうな、古き良き時代のアメリカを描写したタイトルがいくつかありそうだ。今回の1円オークション、実はB級タイトルではなく、ボクの知らないそれなりに有名なものが多く混じっているようだ。
しばらくの間、ボクにいろいろ楽しみをくれそうだね。