秋の始まり(2022−09−22)
14号台風が日本列島を縦断、あちこちを荒らして過ぎ去った。21日の朝、いつものようにベランダに出ると気温が下がっており、そして実に清々しい。朝でもあり、気温は21℃。ほんの数日前まで日中は30℃を越していたのがウソのようである。

台風の後というのは空気が澄み切っており、遠くまで見える。ボクのマンションからは伊勢湾が一望できる。視界のいい日は50km先の神島、伊良子水道までくっきり見えるが、今朝はそういう状態だ。

伊勢湾内は台風の影響を避けるために、港から湾内に出た船が何隻も見える。伊勢湾には名古屋港、四日市港という大きな港があり、両方を合わせた貿易額はNO1の東京を上回る。
船は台風の波浪によって港の岸壁にたたき付けられたり、船同士が激突しないように沖に出て錨を打つ。台風の大きさによって多いときは、5万トン以上の大型船など30隻以上の大型船が湾内に出てくる時もあり、壮観である。

今朝はボクの見える範囲で数えたら13隻と少なかった。昨日のうちに港に戻ったのだろう。

名古屋港、四日市港に出入港する船は全て伊良子水道を通る。伊良子水道は伊勢湾入り口の、神島と伊良子岬の間のわずが4kmの幅しかない。

ここを1日に大型船だけでも100隻以上が通過する、非常にビジーな水道である。

書斎の机の前に座ると伊良子水道が斜め前に見える。
様々な巨大船は肉眼でもよく見えるが、より詳しく観察できるように、机の中にはNIKONの10X35mmの双眼鏡を準備してある。

船の種類は実に様々である。
吃水から上甲板まで20m以上ある自動車運搬船、巨大な球形タンクを幾つも乗せたLNG運搬船、コンテナを山積したコンテナ運搬船タンカーばら積み貨物船は遠方から、しかも横から見ただけでは区別は難しい。たまに客船(クルーズ船)も見える。ボクもパシフィックビーナスには名古屋港から乗船した。

それと伊良子水道、四日市港、名古屋港を均等に位置する付近には海上保安庁の巡視船が時々いる。これは特定のある国・港と往来する船が入港する時にお出ましとなる。
朝早く、三重県側の漁港から漁船がワッと出て、漁をしているときもある。

伊勢湾を見ていると飽きない。

伊勢湾東側の渥美半島沖にはセントレア(中部国際)空港がある。空港はベランダに出ないと見えないが、双眼鏡で見るとコントロールタワーとか駐機している飛行機が見える。垂直尾翼が赤く見えるのがJAL,水色がANA、、、。
今朝もくっきりよく見えた。

夕方から21時頃にかけては到着便が多く、便と風向きによっては鈴鹿上空を通過して名古屋手前で大きく右旋回してセントレアに降りるというコースをとる。

こういう到着便が連なって書斎に座るボクの目の前(上空)を通過するのはなかなかの眺めだ。ボクも那覇からのフライトで鈴鹿上空を通過した事があり、ボクのマンションをカメラで撮影したこともある。

伊勢湾北部上空は、主として羽田から九州・西日本方面に飛ぶ殆どの飛行機が通過する航空路が密集している。

ボクは時々VHFの航空無線を聞く。
飛行機と航空管制の仕組みの基本的な知識が必要ではあるが、”Flightradar”を見ながら交信を聞くと、何を管制しているのかよくわかる。

興味深いのは管制官も飛行機のパイロットも、"英語らしき"言葉で交信をしていることだ。"らしき"とは、99%普通の英語の発音ではないからだ。

何をしゃべっているかというと、英語をベースにした一種の符号を、英語もどきの発音で羅列していると思えばいい。
特に女性の管制官のほとんどは、見事なカタカナ発音だね。それに日本人女性なので声(音)の重量が軽いと言うか、密度が低い。

「メインテイン・フライトレベル・ツー・ワン・ゼロ。コンタクト・XX・ワン・ワン・エイト・デシマル・ファイブ、オーバー。」、でも日本人同士は、こういう方がわかりやすいという事だろうね。

ちなみに空港のコントロールタワーと、離発着の航空機の直接交信はいわばローカル交信で、これには頻繁に日本語が使われている。「待機位置はXXでよろしいでしょうか。」、「はい、それでいいです。」、こんな感じである。

国際線の広域の交信は短波で聞ける。中西部太平洋の管制部が東京にあり、各国の国際便との交信が聞ける。同じ周波数でマニラ、シンガポールなどからの管制もよく聞こえる。

アメリカの国内線では航空会社によって、客席のイヤホーンで管制を聞かせるサービスがあった。オハイオ・コロンバスからシカゴに向かうフライトで聞いた、シカゴアプローチの交信の混みようは半端ではなかった。

交信は"符号"ではなく普通の会話に近かった。英語は自分たちの日常用語だからね。
そこに日本(ANA・JAL)からの国際線が割り込んでいるのを聞いたこともある。パイロットの発音が日本国内線とは全く違うのには納得したね。

そんな事を思い出したりして交信を聞くのである。

セントレア空港はこの2年半の間6回ほど利用したが、全部国内旅行ばかりで、海外はどこも行ってない。最後に行ったのが2年半前のハワイ3週間である。

最近各国のコロナの制限も緩やかになり、一番のネックであった日本への帰国時の制限も実質的になくなった。もう大体自由に殆どの国にいけそうな感じである。今年一杯はちょっといろいろあるのでどこも行けないが、年明けから海外の旅の再開をしたいね。

しかし円安と急速なインフレで、この2年半で円換算の費用は1.3倍以上になってしまった。ちょっと工夫が必要な感じである。

昨日の夕方、久しぶりにきれいな夕焼けを見た。20km先の鈴鹿山脈まで何も遮るものがなく、殆ど暗くなった空の夕焼けはなかなかのものだった。

まだ暑い日もあるかも知れないが、朝夕の気温は20℃ちょっとまで下がり、今年の夏は終わった。子どもの頃もそうだったように記憶するが、夏の終わりというのは何だかちょっと寂しいような気分になるのはどうしてか。

でもこれからの2ヶ月間ちょっと、1年で一番過ごしやすい季節になる。液体燃料、特に米の汁が旨くなる、、、。