スペイン旅行あれこれ−1:(2024−07ー20)
当初のスペイン旅行計画は2020年4月だった。
ところがこの少し前からコロナが流行を始め、やむなくキャンセル、4年遅れでやっとスペインに行くことができた。
スペインまでは別な意味でも、ボクにとっては遠かったのである。

本当はボクはスペインよりもロシアに行きたかったのだが、2022年2月にロシアはウクライナに攻め込んで戦争を始めたので、旅行に行けなくなってしまった。

それはさておき、今回2024年6月25日から2024年7月4日までの10日間、スペインの主要な名所をぐるっと回ってきた。
ヨーロッパは現役時代の出張、個人旅行などで17カ国を訪問しているがスペインは初めてなので、18番目の国になる。

初めて行く国はパック旅行が便利だ。今回は"クラブツーリズム"で適当なのがあったのでこれを利用した。
スペインまでのルートはいわゆる南回り、これも初めてのコースだった。

ボクは3〜4時間以上のフライトは身体の負担を考えてビジネス・シートを使うが、北回りの場合は、ヘルシンキまではビジネス・シートは予約できても、その先のビジネス・シートの予約がナゼか難しい。

ということなので、北回りではビジネス・シートをとる意味が半減する。その点、今回は香港まで4時間、そして香港からマドリッドまで14時間、全部ビジネス・シートだったので、快適だった。
エアーラインはCX(キャセイパシフィック)、これもボクは初めてのエアーラインである。

機内サービスはズバリ、B級だった。
しかしボクはフィリピン・エアーと昔のNWで鍛えられており問題はない、というかガマンできた。
JALとかANAのビジネスしか乗った事のない方は「何?これ」という人がいるかも知れない。

スペインは日本の1.3倍の面積がある。ヨーロッパの中ではウクライナ、フランスの次に大きな国である。
訪れた都市の順番はマドリッド⇒グラナダ⇒バレンシア⇒バルセロナ⇒マドリッドだった。
更にこれらの都市を拠点にあちこち訪れたので、バスと高速列車による総移動距離は2400km以上となった。
これは札幌から鹿児島までより、うんと長い距離になる。

結局この旅行では、飛行機を含めると乗り物に乗っている時間が65時間を超えた。
移動はムダな時間という事を言う人がいるが、それを言ったらクルーズ船なんか殆どが移動時間ではないか。

移動は立派な旅の一部で重要な観光要素、楽しむべきものなのだ。
つまり移動中に何をするか、が大切なのだ。

日本人のツアーでは、バスの移動中にカーテンを閉めて居眠りをする人が非常に多いが、ボクは窓からの景色を楽しむ。

高速道路では車の種類、運転のやりかた、きれいに植えられたオリーブ畑、時々見える家並み、街中では建物、人々の動き・服装など、外国を観察する事が一杯ある。

みんながカーテンを閉めるので、「窓の外の風景も見て下さ〜い。外の風景を楽しむ方の邪魔になるのでカーテンは閉めないで下さ〜い、」という添乗員もいる。

言わない場合はボクは添乗員にカーテンを閉めないようにアナウンスをこっそりお願いする事もある。
今回はやたらカーテンを閉めるという方はいなかった。

飛行機の中では映画を見たり液体燃料を注入したり、窓から雲を見たり、忙しい。
今回は帰りのフライトの機内から素晴らしい夜明け、そして迫力満点の積乱雲を見る事ができた。
ボクは国際線に1400時間くらい乗っていると思うが、こんな積乱雲を見たのは初めてだった。

日本人は旅先で"美味しいもの"を食べるというのが重要で、旅とグルメは一体になっているようなところがある。
テレビの”旅”番組も、"グルメ"番組と間違いそうな構成内容が多い。

今回のスペイン旅行はどうだったか?
牛肉の煮込み、ガスパチョ、パエリア、タパスなど、朝飯以外はスペイン料理を楽しんだ。
結論から言うと本場の中華料理がしばしば日本人の口に合わないように、本場のスペイン料理は日本人には”舌鼓を打つ”というような味ではなかった。

スペイン料理は基本的に塩とオリーブオイルのみで味付けする。これにニンニク、酢、トマトケチャップが入る程度か。
砂糖はあまり、というか殆ど使わない。
これでどういう味になるか、想像はできるだろう。

但し、量だけはアメリカに負けない。
サラダ・スープは日本の3倍以上は確実にある。
そしてメインに入る。ドカッと山盛り。最後にデザート、これも山盛り。
これらを全部食べれるのは、高校生か大学生の運動選手くらいじゃないか。

店は日本人は小食だというの知っているが、他の客と同じ量を出す。
理由は他の客が運ばれる料理の量が少ないのを見て、「この店は量が少ない」、とか思われるのを防止するためらしい。

それと知人などにスペインに旅行したと言うと、「パエリア食ったか?」と2人に1人に聞かれる。
パエリアにはウサギの肉、鶏肉、ウナギ、などを入れるのが普通で、エビが乗った日本人がイメージするシーフード・パエリアはメジャーではないらしい。
ちなみにパエリアは"休みの日にお父さんが作る料理"という一般的なイメージがあるそうだ。

スペインに行って初めて知った飲みものに"カリモーチョ"というのがあった。
何の事はない、赤ワインとコーラを同量で混ぜただけの、ボクでも20秒で作れるカクテル(?)である。
中に氷を入れてもいい。

日本人女性は「ワインが好き」という人が多く、寿司屋でもワインを飲むという、ギョッとするのも時々見かける。
但しこの"好き"は甘いワイン(デザートワイン?)を指す場合が多く、ワインが好きと言うので、フルボディーのちょっといいのを飲ませると、「渋い」、「苦い」とかで飲みにくいと言う。
そんな訳でお土産にもらったフランス高級ワインを料理に使っている、とかいう”猛者”もいるらしい。

結局多くの日本人女性にとってワインは、清涼飲料水の延長、またファンション的要素が大事なようだ。
ボクはそう思えてならない。

ボクはワインを買うときはアルコール度と値段で決める。赤の場合アルコール度14%程度以上、値段は1本2千円以上であれば外れは少ないが、1千5百円以下でもいいのは探せる。

専門家はワインは僅かな苦みと酸味、それに独特のコクで勝負するとか言うが、カリモーチョにするとそうした特徴は失われるため、安いワインで十分なようだ。

ウイスキーでも、JWのレッド・ラベルはコーラ割りする人がいるが(ボクも)、グリーン・ラベルとかで同じ事をする人はいないね。これと同じ?

カリモーチョはスペインから帰ってから、早速作ってみた。
赤ワインのフルーティーな風味とコーラの甘さがマッチして飲みやすく、アルコール度もビール並みになるので、あまりアルコールに強くない人にもお勧めできる飲みものだね。

それとカミさんがスーパーでスペインのお菓子を買ってきた。意外と美味しかった。
特に"POLVORON"というお菓子はちょっと食べにくいが、気に入った。日本でも作って売っているようだが、やたらと高い。

お菓子も今回の旅での発見だったね。