今年の久米島(2):2024−11ー03
久米島では今回も新しい出会いがあった。
3日目の昼、登武那覇公園にランチで行ったところ、珍しく先客がいた。

そうか今日は土曜日だよな〜、と思いつつ休憩所に上がると、若い夫婦が1才半くらいの子を連れて来ている。
目が合うと元気よく「こんにちは〜!」、と奥さんから挨拶された。

こういう勢いで挨拶されると、ボクも負けじと、「こんにちは〜!」、となる。

見ると夫婦もランチで来ているようで、椅子の上にはサンドイッチとパック牛乳・ジュースが置いてある。
ボクも同じようなランチなので、気兼ねなく食べ始めるといろいろと話しかけてくれる。

子どもは1才10ヶ月、2人とも生まれも育ちも久米島で、大学の4年間は那覇に行ったが、また久米島に帰ってきたとの事で、2人は同級生らしい。

そういう話になるとボクも自己紹介をしなくては、という事で今回で久米島は12回目である事などを話す。

ちょっとびっくりしたのが旦那さんは、ボクが久米島で親しくしてもらっているYTさんとは、遠い親戚とのこと。
更に奥さんは、もうひとりの親しく付き合ってくれている、ATさんの娘さんの1才上で高校の時はバスケットボール部で同じだったというではないか。

ボクの過去11回の、約90日の久米島滞在中にあった人とかの話をすると半分くらいは、「ああ、あの人ですね、あの人と私の親は、、、」、とかいう話になって、オイオイという感じ。

やはり数千人の島の人間関係というのは、想像するより遙かに濃密なのだ。

帰り際に名前を教えてくらって、ボクも”ハッピーエイジの会”で作ってもらった名刺を渡しておいた。

翌々日、YTさん・ATさんと一杯やった時にこの話をしたら、「M(奥さんの方)は愛想もいいし、SHINさんもいろいろ話してくれたので嬉しかったのでしょうね」、と言っていた。

島ではみんな名前で呼び合って、年下は全部呼び捨てである。ちなみにボクは最初はNさんだったが、今では”SHINさん”と呼んでもらっている。

久米島は現在人口7200人、産業は零細な農業(主としてサトウキビ栽培)、零細な漁業、それと僅かな観光しかない。会社はいくつかあるが、いずれも数人から数十人程度の零細企業である。

そんな中でもっとも安定した収入が得られる職業は町役場、学校関連、JA、電力会社、などの公務員と準公的機関で働く人で、島内全部で400人もいないのではないか。

毎年60人の中学生が卒業、高校も1校ある。
しかし生徒数はどんどん減っており、学校の存続を維持するために、県外から”高校留学生”を募集、人数の確保を行っている。

高校留学は1学年10人くらいで寮で生活、休みは里親となっている島民の家で過ごしたりしている。

ボクは何年か前まで毎年、高校留学生の寮生活支援などを行っている、20代〜30代前半の本土から来た若い男女と、ATさんなを交えて食事をしたり飲んだりしていた。

ATさんは今は役場の嘱託職員であるが、現役職員の時に何年間か高校留学制度の町側の責任者をやっていたので、彼らを連れてきてくれたのだった。

本土の都会、地方都市の中学を出た生徒が寮に入って、3年間を離島で過ごす、そしてある意味で純朴な島民が里親となってこれらの生徒の面倒を見る、、、。
これを支える仕事は、大変というレベルを超えていると思った。ボクが20代の時にできたか?ボクには120%できない仕事だと思った。

しかし島の大きな問題の一つは、こうして高校まで島で生活した若者が働くところがない、ということだ。
これは離島の宿命であるとも言える。
例えば、ATさんは2人の息子と1人の娘、2人の息子さんは那覇の大学に行き、那覇で就職。娘さんは大阪の大学に行き、東京で就職。こんな感じだ。

島には病院がひとつあるが、医者はひとり。
歯科医院は2つあるが、ひとつは閉鎖中だ。つまり医者がいないのだ。

急患になれば自衛隊のヘリに頼るしかない。那覇基地から30分で飛んでこれる。
沖縄の陸・海・空・各自衛隊の航空部隊は”急患輸送”が現在の重要任務である。
健康診断も、出産も那覇まで行かなくてはならない。

つまり島には老人だけがどんどん増えている。介護施設も十分ではない。と言うか、非常に貧弱だ。

ボクは親しくなった方達に将来はどうするのか、それとはなしに聞いてみたりしたが、答えはあいまいだった。
一部の人を除き、いずれは島を出るしかない、或いは最後は老人同志が介護し合って生きて行くのか。

ボクにとって今の久米島はホテルでぼんやり過ごすだけの場所だが、島民の現実の生活と将来は厳しい。
かく言うボクも境遇は結局似たり寄ったりだ、、、さてボクもどうするか、、、。

今まであちこち旅行をして写真は一杯撮ったが、ビデオ(動画)を撮ることはあまりなかった。
1990年頃に1台、更にアメリカにいる時の2006年頃ミニDVD記録のSONYのビデオカメラを買ったが、帰国してからは使う事がなくなって、今ではクローゼットの中で鎮座、動くかどうかも怪しい。

今回の久米島で、ナゼかふと思い出したようにスマホで動画を撮って、これを友人達にLINEで送ってみた。
みんな「久米島の海と空はきれいだね」、と反応してくれた。
久米島の雰囲気を伝える事ができて、ボクも嬉しかったね。

そこでこのWEBサイトにも、動画を入れてみた。
ボクは自分のドメイン(@ja2iin.com)、そしてレンタルサーバーを持っている。レンタルサーバーの容量は10GBとささやかではあるが、少しの費用でいくらでも拡張できる。

という事でビデオは本格的にはプラグインで埋め込むのだろうが、簡易的にファイルのリンクでやってみた。(各ピクチャーをクリックでビデオがダウンロードする)