今年のハワイ(1):2024−12ー18
今年もハワイ・ホノルルに行ってきた。ハワイは1975年に行ったのが最初で、その後2009年にオハイオにいた時に上の娘の結婚式で行き、会社を定年になってから5回目、つまり今回で7回目になる。

ボクは海外旅行は、まずヨーロッパ各国、東南アジアなどに行くのが先でハワイは後でいいのではないかと、そういう考えが以前にあった。

ハワイに行くとハワイは居心地が良すぎて、他のところに行く気持ちが失せる、とかいうのをどこかで聞いた事があり、そうなるのを何となく"恐れた"からだ。

でも何度行ってみても、そうはならなかった。
それぞれの国(地)にはそれぞれの特徴・良さがあり、ボクの場合どこが良くてどこがつまらない、とかいうのはあまりないのだ。

しかしやはりハワイはいい。とにかく気候が良く、どこに出かけても日本人好みの景色が広がる。
ホノルル中心部では建物など、一部は込み入っているが、ゴミゴミ感を感じることはない。

それにアメリカなので、アメリカンな利便性がある。そういう環境が狭い島の中に凝縮されているのである。

ボクがハワイに行く目的はボーッとしにいく、日常を日本の三重県鈴鹿市からアメリカ合衆国ハワイ州(正確にはホノルル)に移すだけ、という感じである。

だからPCも、読みかけの本も、普段口にしている好きな食べ物も持って行く。観光は滞在中に、気分転換程度に1〜2回程度、ボクは沖縄の久米島に1年に1〜2回行くが、ハワイもそれと近い位置付けである。

今年は11月14日から26日までの13日間、前半はワイキキにあるホテル・コンド、後半は同じくワイキキにある会社のコンドに滞在してきた。
そんな訳で普通の"滞在"なのでホテルではなく、キッチンなどが備わったコンドが必須となる。

最初の1週間利用したコンドはかなり古いコンドであったが、部屋も広く(LDKだけで14畳くらい)、何よりも便利な場所にあった。
ボクのハワイは観光が目的ではないというものの、今回は2つだけイベントを入れた。
ひとつがディナー・クルーズ。
ディナー・クルーズは15年前にカミさん・下の娘と3人参加して、いい印象が残っている。

集合はハイアットリージェンシーの裏口、行ってびっくりもの凄い人数である。
来たバスに適当に乗ったら、事前にチェックインの窓口があったらしく、チェックインをしていない客であるボク達ともう一組アメリカ人の夫婦がゴタゴタがあったが、乗った者勝ち、そのまま出発となった。

アメリカはこういう場合でも、「そんなの知らなかった」、「特に案内になかった」、と言えば日本と違って割と何でも通してくれる。
つまり言えば何とかなる、みたいなところがある。

受付していなかったアメリカ人夫婦と話したら、ミシガンから来たと言っていた。奥さんが「日本はもう寒いんでしょ?」と話してくれた。

そんな訳で予定どおり上船・出航したがこの日は風が強く、売り物のシェラトン・ワイキキ横から打ち上げられる花火が中止となってしまった。
花火は毎週金曜日に打ち上げられ、この日のクルーズはお値段も少し高いのである。

クルーズ船は4F建て、全部で1300人くらい乗れるという大きな船で、最上階の窓側の席を大枚をはたいて予約をしていたのに残念!

席の隣はアリゾナから来た40才前後の夫婦。ハワイに来て2週間、翌々日帰るとかで最後の記念にディナークルーズに参加したらしい。
丁度隣にいた奥さんが、ボクの膝の上を小さな虫が這っているのを見つけ教えてくれ、ボクが”南無阿弥陀仏”をして殺生をする姿を見て大笑い、それで話すようになった。

子どもは2人いて、母親に預けてきたとの事。
お決まりの「ところでお仕事は?」とダンナにきいたところ「マイニング」という答え、ウーン、何だろう、、。
、ボクの知っているのは"データー・マイニング"と"機雷敷設"という2つの意味は知っている。

アリゾナで機雷敷設はなかろう、そこで「データーマイニングでもやっているのか?」、と聞いたら「ノー」。
いろいろ聞いたら、"鉱山”関連の技師"という事がわかり一件落着。

そんな感じで夫婦には1時間半以上、ジャングリシュ(ジャパニーズ・イングリッシュのこと)に付き合わさせてしまった。
反対側の隣の席には大阪からの日本人夫婦で、50代前半という年格好、サラリーマンではなさそう。
まあ取り止めのない話をして過ごした。

レストラン中央ではピアノが演奏され、後半からは女性ボーカルがスタンダードをしっかりと聞かせてくれた。

ディナー・クルーズはショー中心のクルーズとか何種類かあり、このスター・オブ・ホノルル(船名)によるものが一番人気があるらしい。

参加していた日本人は少なく、ボクが見かけたのは新婚さんらしい若いカップル2〜3組、それにオバさん4人組、ボクらと同世代の夫婦3組くらいで、最上階は100名くらいの中でボク達を含めて6人しかいなかった。

レストラン真ん中はスペイン語しゃべる、50〜60代の8人組男女が、大騒ぎして楽しそうだった。
テキサスあたりから?イヤ、メキシコかも、とか思いながらチラチラ見ていたが、あれだけのワインとシャンパンで、よくあそこまで騒げるものだと、感心した次第であった。

もう一つはオアフ島定番観光スポットを訪れる1日観光。ツアーはベルトラに申し込んだのであるが、やってくれたのは個人営業でやっている観光案内。
ベルトラから送られてきたバウチャーには、「何かあったても当社は一切関係ございません」、と素っ気なく書いてあった。
観光は”京子さん”というハワイに来て28年の中年女性が運転するミニバンで10カ所を巡るという中身の濃さ。案内、説明も京子さんがやってくれた。

ツアーの集合場所はディナー・クルーズと同じくハイアット・リージェンシーの裏口。メンバーは夫婦3組と母娘1組の合計8名。京子さんはヘッドマイクで案内をしながらミニバンを運転、説明も運転もうまかった。

客は4組8人ということもあって最初のタンタラスの丘の見学を終え、次の”この木何の木、日立の木”で有名なモアナルア・ガーデンに向かう途中で、京子さんが4組の出身地を紹介。
大阪、神戸、埼玉、そして三重県、、、。

車を降りて入り口に向かう途中で中年夫婦のダンナさんから、「あの〜、H(会社の名前)に見えたNさんですよね、オハイオに見えた、、、」

エ〜、な、何だ?!
彼の顔をよく見ると、2000年から2011年までオハイオの会社でVP(副社長)をやっていた、Sさんである。
もうびっくりしたの何のって!

Sさんはその後カナダへ転勤になってそこで5年、定年後は嘱託でイギリスの会社にも行っていたと記憶する。
彼は帽子を被り、サングラスを掛けていたので最初はわからなかったのである。ちょっと老けていたが14年ぶりに見る顔、Sさんそのものだった。

彼とボクは仕事の担当領域が違っており、また彼のいたところはボクの勤務地から100kmくらい離れていたので、仕事上の係わりはほとんどなかったが、会議で何度か一緒になった事はあった。
彼は奥さんと2日前にホノルルに来て、急遽このツアーを申し込んだとのことであった。

しかしこの再会の確率はどう計算すればいいのか、宝くじで3億円当たる確率より低いんじゃないか、そんな気がした次第であった。

実はボクはこういう、確率的にあり得ない程低い”再会”を今まで7回経験していたが、これで8回になった。

今回のコースでは初めて行ったところが二つあった。一つは”ホノルル出雲大社”
これは日系移民のために1906年に建てられたもので、ちょっと交通の不便なチャイナタウンの近くにある。
実際に行って見ると、日本の神社と何ら変わらない立派な社である。

ホノルル出雲大社のあるチャイナタウンは、夜は行ってはイケないエリアである。
ホームレス、薬物使用者なども多い。

ボクは最初にハワイに来たのは1975年であるが、この時も行かない方がいいエリアと言われていたので、そういう意味で50年近く経った今も改善はされていない。
1990年代のNYCの治安・犯罪の劇的改善を見習え、と言いたい。

もう一つは、今や野球は知らなくても”アメリカン・メジャーの大谷”と言えば日本人で知らない人はいないくらい有名な、大谷のパワースポットなる岩である。
場所はマカプウ岬付近だったと記憶するが、大谷が日ハムの選手時代にここに来てお祈りをして、その後アメリカで大成功。大谷は再度ここに来てお礼をしたという岩である。

みんな岩に抱きついたりしてので、ボクもここではとりあえずお願いをしてきた。

ハワイの観光客は完全にコロナ前のレベルに戻っているが、日本人は戻っていない。これはアメリカの物価高(インフレ)と円安のせいで、ハワイは以前のように気軽に行けなくなった、と言われている。

ちょっとしたレストランで食事をすると2人で2.5〜3万円は覚悟しておく必要がある。チップも最近大分上がっており、17〜20%近くになっている。NYCでは20〜25%くらいになっているらしい。(これ以外に消費税がある)

チップの要らないフードコートで、ハーゲンダッツのアイスクリームのカップをカミさんと食べたら2つで2500円、こんな感じである。

ホテルはそれなりのロケーションで普通に快適に過ごそうとすると最低1泊5万円は必要。飛行機代も以前に比べると1.5倍くらいになった。

見かける日本人は、ボクらのような退職した夫婦、退職した夫婦+娘または息子夫婦、退職した夫婦+娘、母+娘、オバさん3人組または4人組で全体の4分の3くらい、それに新婚さんが加わる、という感じだ。
トータルで見ると女が圧倒的に多い。

要するに60〜70歳代のリタイア世代が中心という感じである。つまりこの世代が実質的に経済的・時間的に余裕がある、という証である。

1日観光の母娘組の娘さんに、「親孝行で来たの、それとも、、、」と聞くと、「ハ〜イ、母はスポンサーで〜す」、こんな感じである。
パック旅行もホテルのランクを落とし、日数を減らし、食事なし、という形になっている。

日本の実体経済は沈下したままで回復する材料はなく、円・ドル・レートは少し前のような1ドル=100円というような円高になる状況は、今のところ考えにくいという。
ボクたちも元気なうちは年に1回くらいハワイ、、という考えでいたが見直す必要がありそう、、、。