終の住まい(2018−06−01)
私はオハイオから帰って来た時が会社の定年でした。
日本に帰ったら住む家をどうするか、余り深く考えておりませんでした。
というのは30年以上前に建て売りで買った家、古いのですが住もうと思えば住むことができました。
家を買ってから6年目で私は転勤になり、その後ずっと社宅に提供していましたので自分の手に戻って来るときは各部の手入れがされる事になっていました。

もうひとつは母親の家でこれは誰も住んでいなかったので住もうと思えば住める状態にあり実際、帰国後はここに一旦住んでおりました。
帰国して定年、再雇用になった私は自分の古い家を取り壊し、その土地に新築をする計画を立てていました。

空き家になっている自分の家の荷物の整理に行ったその帰り、スーパーの前で新築マンションの売り出しをしていたのでモデルルームを軽い気持で見に寄ってみました、、、気が付いたら購入の契約をしていました。
それが今の住まいのマンションです。

ここに住んで間もなく8年、10階からの眺望は今でも気に入っています。
伊勢湾が一望、伊良子水道を往き来する巨大なタンカー、貨物船、LPG船から自動車運搬専用船、たまに自衛隊の護衛艦、大型クルーズ船が自分の机の前に座ってもみえます。

間取りは世間で言うところの3LDK,夫婦2人で住むにはそれ程不自由を感じる事はない広さです。
マンションの周りは、スパー・ホームセンターまで1分、コンビニまで1分、バス停まで1分、銀行まで1分、郵便局まで1分、交番まで30秒、と便利な位置にあります。
車がなくても生活が出来る、これから先を考えると重要な条件ではないかと思っています。

また私達夫婦はよく旅行に出掛けます。マンション生活では各種当番とか回覧板とかそういうものがありません。
ですから玄関のキーを閉めればいつでも気軽にどこでも出掛ける事ができ、私達のライフスタイルには大変便利住まいと言えます。

しかし住んで8年弱、不満も少し出てきました。キッチンが低い、換気扇は吸い出しが弱いくせに音だけは2人前、洗面所の収納スペースが足りない、床がイマイチ安っぽい、私が使っている部屋は6畳の和室だが洋室にしたい、トイレもイマイチ、、、入居した最初はよかったのですが段々と気になってきました。

そこでリフォームを検討する事にしました。終の棲家になるんだったら今のうちに不満なところを直して快適な住まいにしたい、そう思うようになりました。

肝心の資金は?これは今は空き家になっている40年近く前に買った家、というより土地を売れば何とか捻出できるだろう、そういう計画で行くことにしました。

家と土地の売却について不動産屋を呼んで見積を依頼し、いろいろな話を聞きました。
鈴鹿市内は既に空家率が15%近くになっているという話には驚きました。

特に相続対策で新築アパートが次々と建っており、これの空き家率も非常に高いとい言う事でした。
そう言えば、私のジョギング・ウオーキングのコース上でも何軒ものアパートが建ったのですが、1年経っても空き家が目立つ、というのが少なくありません。

私の土地・家の立地条件はまだ買い手があるので、今のところはそれ程の心配はしなくてもいい、という事でした。
でもリフォームを発注したのはいいけれど、ここが売れなかったらどうしよう、、、いろんな不安が頭の中を過ぎりますが、ま、何とかなるだろうという事で考えない事にしました。

リフォームの依頼先はマンションを買った不動産会社とし、担当者を呼んで大まかなリフォームの内容を話しました。
次に住宅関連設備の総合展示場に行ってどういう設備仕様があるのか、実物を見に行ってきました。場所は名古屋駅横のビルの13F、行ったのは平日という事で展示場に客は殆どいません。
各住宅機器メーカーには不動産会社の担当から連絡が入れてあったので、スムーズに見学、説明を聞くことができました。

この日は不動産会社より2名、私とカミさん、それに私の妹の5名が各機器メーカーの説明を聞きました。
妹は最近名古屋市内に新築マンションを買ったのですが、転居前に一部設備の入れ替えグレードアップをしたのでアドバイザーという事で来たのでした。

各メーカーの展示場には多くの設備が並べられ、全く目移りするばかりでした。床材メーカーはドアーとかその関連設備、それに作り付け家具も取り扱っていました。

今回はリフォームを思いつくままに全部取り入れた最大限での範囲で見積もってもらい、先ずはそれを見ながら細部を検討していく、という方法をとる事にしました。
どんな見積が来るやら、、、。

日本は核家族化が進み、私達もその一例です。
昔は2世帯同居というのは当たり前だったのが今は親と子どもは別々の所帯を持っているのが普通です。理由は世の中が勤め人ばかりの社会になったからです。
家を出た人達は30代後半〜40代で憧れの一軒家を手に入れ、そこから電車とか車で通勤する、子どもは段々と大きくなりやがて自分たちと同じように家を出て行き、家には夫婦だけが残り、その夫も定年になる。

こういう一軒家は多くの場合、都会の郊外・地方都市でも車なしでは生活ができない場合が殆どです。
夫婦2人だけの生活になってこういう一軒家に住むより、生活に便利な場所に建てられたマンショに住む方がいい、という事で都会の郊外、地方都市共にそういう流れになってきているそうです。

ちょっとした買い物も車、病院も車、銀行も車。人生100年次代、これから先70才、80才、90才になってもこういう生活を続けるとどうなるのか、この答えは過疎化高齢化した地方の例が既に答えを出しています。
私とカミさんは生活パターン(旅行が好き)から、そして車がなくても生活ができる今のマンションを終の棲家にする事でほぼ決定しつつあります。
そのために今よりも少しだけ快適に住めるように、最小限のリフォームの検討を開始しました。