ボクはアマチュア無線が趣味のひとつだが誰かと無線で交信をするというのは割と少ない。また交信をする時はマイクを握って、というよりキー(電鍵)を叩く方が多い。
ボクは交信より真空管を使った送信機、受信機、たまにオーディオアンプなどを作る方がメインになっている。今はウサギ小屋(マンション)生活になったので部屋中に工具や部品を拡げて半田ごてを振り回すというのはやらないが、それでも時々6畳の部屋が足の踏み場もないくらいになる時がある。
先日、ずっと前に作った真空管式受信機の調子が悪くなっていたのを思い出し、これを引っ張り出して具合を見てみた。
受信機は第2次世界大戦時にアメリカがB17、B29とかの爆撃機などに搭載していた長波・中波・短波用のBC348Qという小型受信機の主要部品を流用して製作したものだ。
受信機の外観を見て無線仲間は「レストアしたのですよね」と言うがボクは「レストアではないよ、ボクが新作した受信機だよ。」と答える。
レストアとはこの受信機が作られた時と同じ"元の状態に戻すこと"で、確かにパネルもダイアルもオリジナルと殆ど変わらないのでそう言われても仕方がない。
しかしボクのBC348Qの中味はオリジナルとは別物に変身している。要するにBC348Qの主要部品を流用して作った、BC348Qの格好をした自作受信だ。少々ややこしい。
外観は再塗装、その他全て分解して再利用部品以外は全部捨てた。銘板も特注で作ってもらった。
オリジナルの構成は8球の高2中3であり、シャーシーとかを流用するので基本構成は同じく高2中3となった。しかし性能を確実に引き出すために様々な付属回路を付加して12球にしてあり、配線は結構混雑している。 |